沼津駅鉄道高架前進 静岡県、JRが工事協定締結 新貨物駅建設本格化

 JR沼津駅付近鉄道高架事業で、事業主体の県とJR東海、JR貨物の3者が30日、新貨物ターミナル本体工事開始に向けた工事協定の調印式を沼津市役所で行った。今秋の着工に向け、沼津市の長年の懸案事業が大きく動き出す。

関係者が協定書に調印したJR沼津駅鉄道高架事業に関する工事協定の調印式=30日午前、沼津市役所
関係者が協定書に調印したJR沼津駅鉄道高架事業に関する工事協定の調印式=30日午前、沼津市役所
JR沼津駅付近鉄道高架を巡る主な動き
JR沼津駅付近鉄道高架を巡る主な動き
今秋から建設工事が始まる新貨物ターミナル予定地(ブルーシートのある周辺)。愛鷹山麓(左奥)では、企業立地調査も始まる=15日、沼津市周辺(本社ヘリ「ジェリコ1号」から、写真部・久保田竜平)
今秋から建設工事が始まる新貨物ターミナル予定地(ブルーシートのある周辺)。愛鷹山麓(左奥)では、企業立地調査も始まる=15日、沼津市周辺(本社ヘリ「ジェリコ1号」から、写真部・久保田竜平)
関係者が協定書に調印したJR沼津駅鉄道高架事業に関する工事協定の調印式=30日午前、沼津市役所
JR沼津駅付近鉄道高架を巡る主な動き
今秋から建設工事が始まる新貨物ターミナル予定地(ブルーシートのある周辺)。愛鷹山麓(左奥)では、企業立地調査も始まる=15日、沼津市周辺(本社ヘリ「ジェリコ1号」から、写真部・久保田竜平)

 調印式には県沼津土木事務所の山本浩之所長、JR東海の加藤均建設工事部長、JR貨物の花岡俊樹東海支社長が出席。頼重秀一沼津市長が立ち会い、協定の内容を確認した。3者は今後の事業について、各事業者の役割や全体の枠組みを決め、整備を円滑に進めるとした。
 県とJR東海は2023~41年度に高架本体工事などを実施し、概算総額は約1208億円の見込み。JR貨物は23~27年度に新貨物ターミナルの建設を行い、概算総額は約72億円の予定。
 新貨物ターミナルは22年1月に着工。将来の線路やコンテナホームとなる部分の造成工事は完了し現在は調整池の掘削作業を進めている。

新貨物駅建設本格化 物流拠点の需要期待  静岡県とJR東海、JR貨物が30日、沼津駅鉄道高架事業に関する工事協定を締結したのを受け、沼津市原地区では、今秋から新貨物ターミナル建設が本格化する。長距離トラックの運転手不足で鉄道への物流シフトが予想される中、東名、新東名両高速道に近く、鉄道貨物の利用も可能な同市の物流拠点としての需要が期待される。市も企業誘致に向け、2023年度に企業用地適地調査に着手する。
 市は東名沼津IC周辺の東名、新東名両高速道に挟まれた愛鷹山麓のエリア約500万平方メートルで、造成工事が可能かなどを調べる。市産業戦略推進室によると、物流業者を中心に進出の相談は多いが、沼津IC周辺は開発が規制される市街化調整区域が多く、適地が少ないという。
 東名、新東名高速と原地区を結ぶ東駿河湾環状道の計画もあり将来的にはトラックと鉄道貨物を掛け合わせた利用の進展も見込まれる。締結式でJR貨物の花岡俊樹東海支社長は「トラック運転手の不足や高齢化が進む中、物流で地域に貢献していきたい」と述べた。

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