旧庄屋レストランが開業 家康ゆかり「鈴木家屋敷」を改装 浜松

 浜松市東区中郡町の旧庄屋「鈴木家屋敷」を改装したレストラン「鈴松庵(れいしょうあん)」が11日、本格開業した。鈴木家は徳川家康が側室阿茶局を預けた伝承が残り、浜松藩の有力庄屋だった名家。明治期以降の建造とされる家屋は地元住民が復元に努めてきた。人々が歴史に触れ、交流できる店舗を目指す。

屋敷を活用した「鈴松庵」。小沢社長(右)や村木理事長(左)が改修に尽力した=浜松市東区中郡町
屋敷を活用した「鈴松庵」。小沢社長(右)や村木理事長(左)が改修に尽力した=浜松市東区中郡町
ランチは本格フレンチを提供する
ランチは本格フレンチを提供する
屋敷を活用した「鈴松庵」。小沢社長(右)や村木理事長(左)が改修に尽力した=浜松市東区中郡町
ランチは本格フレンチを提供する

 敷地約1万4千平方メートル、木造の母屋など3棟で構成される屋敷。鈴木家は藩内で最も格式高い庄屋で、明治期は金融を営み地域の発展に貢献した。当主の転居で無人となり、長年竹やぶに覆われていたが、20年ほど前に由緒を知った住民有志が保存グループを作り、当主家族の同意を得て復元を始めた。敷地と建物は後に市へ寄付され、パークPFI(公募設置管理制度)で管理者となった同区の電気設備工事業「松川電気」が私費を投じて今春まで大規模な改修を施した。
 同社の小沢邦比呂社長は「四季折々の行事を企画して日本の伝統文化を感じられる場にしたい」と話し、保存グループの村木正弥理事長は「素晴らしい建物になった。今後もみんなで守り、活用したい」と改修を喜んだ。場所は中郡小北側の万斛(まんごく)庄屋公園内。営業は午前10時~午後5時。午前11時~午後2時が本格フレンチのランチ営業、それ以外はカフェ営業。水曜定休。別棟は地域のため開放していく。

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