御殿場コシヒカリで日本酒 地元飲食業者が初製造 新たな特産品へ意欲

 御殿場市などで飲食店を展開するつぼぐちフードサービスが、同市のブランド米「御殿場コシヒカリ」を原料とした初の日本酒「さくや 雪解(ゆきげ)」を完成させた。水は同市ならではの良質な富士山の伏流水を使用。“オール御殿場産”のこだわりをPRし、新たな特産品として定着を図る。

御殿場コシヒカリを使った日本酒の完成などを報告した坪口代表取締役=御殿場市役所
御殿場コシヒカリを使った日本酒の完成などを報告した坪口代表取締役=御殿場市役所

 同社は2020年度から日本酒造りに取り組み、市内の同社農場で育てた酒米「山田錦」を使った酒を長野県の酒蔵の協力を得て製造している。農場で育てる御殿場コシヒカリを使用することで地域色はさらに強まるが、食用米であるため粒の大きさも小さく、おいしい酒を造る難易度は高まるという。しかし富士山の伏流水との相性が非常に良いことが分かり、キリッとした辛口がくせになる純米吟醸の完成にこぎ着けた。
 商品名は富士山の守り神とされ、市内の神社に祭られている木花咲耶姫(このはなさくやひめ)から取ったという。山田錦を使った日本酒は新たに「このは 春雫(はるしずく)」と命名した。
 10日に同社の坪口栄二代表取締役らが市役所を訪問し、勝又正美市長に完成を報告した。同社は印野郷土振興協会と協力して24年秋ごろ、同市印野地区で酒蔵開設を目指していて、計画の大きな弾みになることを伝えた。勝又市長は「御殿場ブランドとして大切に育てていきたい」と喜んだ。
 「さくや 雪解」「このは 春雫」はそれぞれ900本を製造した。各1本2200円(720ミリリットル)で、2本セットは4500円。ミートファクトリーつぼぐちお肉の工場直売所御殿場店と三島店で販売し、つぼぐちフードサービスの各店舗で提供される。

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