1万トン貨物船進水 住民集い式典盛大に 静岡のカナサシ重工

 静岡市清水区三保のカナサシ重工の造船所で30日、同社としては最大級となる、総トン数約1万トンの一般貨物船の進水式が地域住民らを招いて行われた。新型コロナウイルスの感染拡大で数年ぶりに盛大に行われた進水式では地元の菓子店が作った紅白の餅がまかれた。

支綱切断を経て進水する約1万トンの貨物船=静岡市清水区三保のカナサシ重工
支綱切断を経て進水する約1万トンの貨物船=静岡市清水区三保のカナサシ重工
船主らによる地域住民らへの餅まきも行われた進水式=静岡市清水区三保のカナサシ重工
船主らによる地域住民らへの餅まきも行われた進水式=静岡市清水区三保のカナサシ重工
支綱切断を経て進水する約1万トンの貨物船=静岡市清水区三保のカナサシ重工
船主らによる地域住民らへの餅まきも行われた進水式=静岡市清水区三保のカナサシ重工

 進水式では造波抵抗を少なくするための巨大な球状船首を前に、発注した海外の船主とカナサシ重工幹部らが日の丸掲揚や地元の御穂神社の神職による神事に臨んだ。船主による支綱切断とシャンパン割りが行われた後、「軍艦マーチ」が流れる中で新造船は進水して行った。会場には地域住民や学生ら約50人が集まった。将来船乗りを目指しているという東海大海洋学部海洋理工学科の金井智亮さん(19)は「船の一生の始まりに立ち会えたことが感慨深い」と話した。
 進水した貨物船は全長約123メートル、全幅約21メートル。今後30年間程度、世界中の海でさまざまな荷物を運ぶことになるという。1万トン級の貨物船の進水式は、カナサシ重工が2014年に村上秀造船(愛媛県)のグループ会社となってから初めてとなった。
 カナサシ重工の村上雅臣社長は「久しぶりの進水式を地域の皆さんに見守ってもらえよかった。近年は安定した受注ができている」と述べた。

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