袴田さん再審立証終了 「何と言おうと巌は無実」 ひで子さん、気持ち代弁へ

 24日に弁護団と検察側双方の証拠調べ手続きをほぼ終えた袴田巌さん(88)の再審公判。5月の次回公判で、袴田さんの姉ひで子さん(91)は弟に代わって意見を述べる。「58年闘ってきた。検察が何と言おうと巌は無実です」。弟が自分の口で訴えたかったであろう言葉を伝えようと思う。記者会見で思いを語る袴田巌さんの姉ひで子さん(右)=24日午後、静岡市葵区
 袴田さんは長い間身体を拘束され、死刑執行の恐怖と隣り合わせの拘置所生活で精神に支障を来した。静岡地裁は「心神喪失状態にある」と判断し、再審公判への出廷を免除。ひで子さんは補佐人として審理の行方を法廷で見続けてきた。
 24日の第14回公判では、袴田さんが第1次再審請求した1981年に自ら書いた意見書が証拠として採用された。そこには、事件から約1年2カ月後に現場近くのみそタンクで見つかった「5点の衣類」を〈私の所持したるものでは絶対にない〉とつづり、警察官の〈でっち上げ〉にも言及している。そして、裁判所に対しては〈罪なき者は罰さない〉という原点に立つべきとの願いを伝えている。
 ひで子さんは意見陳述について「巌は今、何も言わない。昔書いた陳述書などから抜粋して、巌の気持ちを率直に申し上げたい。裁判官にも検察官にも、(法廷にいる)皆さんにも聞いてほしい」と考えている。
 一方、この日の公判では傍聴した支援者に対して、地裁が「FREE HAKAMADA」と書かれた上着の「HAKAMADA」部分をテープで隠すよう求めたという。また、弁護団にも支援バッジを外すよう要請。弁護団は過剰な対応だとして抗議を検討する。上着の表記をテープで隠すよう静岡地裁から求められたという支援者=24日午後、静岡市葵区

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