関節手術支援ロボ導入 静岡県内初の聖隷三方原病院、安全性向上と術後入院短縮へ 

 聖隷三方原病院(浜松市中央区)は、人工股関節や人工膝関節の置換手術を支援するロボット「Mako(メイコー)システム」を県内で初めて導入した。ロボットを使うことで手術の安全性と効率化の向上を図る。

「Makoシステム」の動作を確認する参加者と冨永亨関節外科部長(中央)=20日、浜松市中央区の聖隷三方原病院
「Makoシステム」の動作を確認する参加者と冨永亨関節外科部長(中央)=20日、浜松市中央区の聖隷三方原病院

 Makoシステムは手術用のロボットアームで、アームの先端に骨を削る刃がついている。病気などで痛めた股関節の骨をアームの刃で削り、人工関節を入れる手術を支援する。アームの刃は機械で制御されているため、骨を切る際のミスを防ぐことができる。医師はCT画像を見ながら手術を行い、より安全で正確な手術が期待できるという。導入にかかる費用は約3億円。
 既に県外の医療機関約90施設で導入されていて、県内でも複数の病院が導入を検討している。聖隷三方原病院によると、同システムを導入した7施設で、術後の入院期間が導入前よりも平均約6日短縮したという。手術範囲を最小限にすることで手術した部位の炎症が軽くなり、リハビリ期間の短縮につながったとみられる。
 同病院はこのほど、同システムを使った手術のデモンストレーションを公開した。2023年に同病院で行った人工関節全置換術の件数は人工股関節が62件、人工膝関節が105件だった。高齢化による患者の増加で手術が増える可能性はあるという。
 冨永亨関節外科部長は「手術の正確性が上がることで患者の不安が減る。患者にとっても病院にとってもメリットがある」と話した。
 (浜松総局・大沢諒)

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