「耳鳴り抑制装置」 全国奨励賞 島田工高生開発、企業も注目 医療従事者 負担軽減目的

 島田工業高情報電子科放送技術班が耳鳴り抑制装置を開発し、第82回全日本学生児童発明くふう展で奨励賞に選ばれた。同班の受賞は2年連続で、研究論文としても第21回高校生・高専生科学技術チャレンジ2023で敢闘賞に輝いた。医療従事者の負担軽減を目的に、誰でも簡単に扱える耳鳴りを和らげる電子機器を完成させた。

耳鳴り抑制装置を開発した島田工業高の生徒ら=島田市の同校
耳鳴り抑制装置を開発した島田工業高の生徒ら=島田市の同校


 装置は音響効果で耳鳴りを気にならなくさせて順応させる療法を取り入れた。普段の課題研究として、コンサートの舞台装置や式典の映像中継などで扱ってきた音響、電子回路の技術と知識を応用した。ホワイトノイズを発生させる回路を搭載し、周波数を高音から低音の間で切り替えることが可能。実用性を意識し、切り忘れ防止機能も設定した。企業の研究者からも注目されているという。
 3月に卒業した静岡理工科大1年の松原聡紀さん(18)は「きっかけは耳鳴りに悩む友人が身近にいたことだった。困っている人の助けにつながればうれしい」と話した。2年曽根光葵さん(16)は「小遣いを使って部品を購入し、開発に取り組んできた。受賞を励みに新たな研究に取り組みたい」と笑顔を見せた。
 (島田支局・寺田将人)

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