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独創性がすごい!クール&ビューティーな世界に浸るアートがずらり@駿府博物館 「素材にいのちを吹き込む―針金とフェルトの世界」

針金人形作家MASASHIさんと立体フェルト刺繍作家PieniSieniさんの2人展

©MASASHI

©PieniSieni

針金人形作家MASASHI(マサシ)さんと立体フェルト刺繍作家PieniSieni(ピエニシエニ)さんの作品展「素材にいのちを吹き込む―針金と世界」が4月27日から6月16日まで駿府博物館(静岡市駿河区)で開かれます。

針金とフェルトは一見、異質なものに見えますが、いのちを吹き込まれた素材たちが"交響曲”を奏でます。ぜひこの機会に会場で「生の音(作品)」を楽しんでみてください。

発想の豊かさに驚くMASASHIさんの作品

 


MASASHIさんの作品の面白さの1つは「世界観」。ひと言で「針金人形」と言っても、いろいろな種族に分かれています。説明文を読みながら作品を鑑賞すると、今にも動き出したり言葉を発したりしそうな人形たちに、さらなる親近感を持つことができます。あいさつ文、説明文はMASASHIさんが自分の思いを紡ぎ書いたもの。作品に対する作家ならではの愛情を感じられることでしょう。

©MASASHI

個々の作品を見ると、針金の緻密な巻き方に驚くはずです。会場ではできる限り近くまで寄って鑑賞してみてください。

©MASASHI

関節部分にも注目です。何度も観察して究めたのでしょうか。針金とは思えないなめらかな曲がり方は必見です。
人形は重心も考えられており自立します。色づかいも人形に命を吹き込む大切な要素です。

PieniSieniさんが追究するリアルを超えた"リアル"

©PieniSieni

PieniSieniさんの作品の魅力の真髄は、肉眼で見ることでより感じられるはずです。

写真でも素敵ですが、実際に鑑賞すると「いのち」そのものを感じることができます。

労をいとわない、小さな1針1針が立体作品になると、生命の誕生の神秘さを目の当たりにしたような気持ちになるのではないでしょうか。自然界の厳しさを表現した作品もあり、ストーリー性を楽しめます。

静岡おでんにキンメダイ!静岡をテーマにした作品も登場

©PieniSieni

静岡をテーマにした作品も必見です。静岡おでん、ワサビ、キンメダイ、ガーベラなど「静岡いっぱい」です。アレンジの方法が絶妙で、「静岡」というキーワードだけでつながっている食べ物、植物が見事な調和を見せているところに作家の力を感じます。

作品の展示方法の工夫で「音質」を高める

MASASHIさんとPieniSieniさんの個々の作品は、楽器そのものに喩(たと)えられるかもしれません。指揮者は作品の展示に関わったMASASHIさんたちです。それぞれの作品から聴こえる「音」の特徴を引き出し、展示する順番、位置の「最適解」を見つけました。個々の作品の「音」を聴くとともに、全体の音楽の美しさを感じてください。
(駿府博物館)

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■駿府博物館
「素材にいのちを吹き込む―針金とフェルトの世界」

期間:2024年4月27日(土)〜6月16日(日)
会場:駿府博物館(静岡市駿河区登呂3-1-1)
開館:午前10時〜午後5時(入館は同4時30分まで)
観覧料:高校生以上800円、中学生以下・障害者手帳提示の方は無料

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