紙面編集部兼デジタル編集部 吉田直人
よしだ・なおと 1992年、長野県出身。2017年入社。社会部、蒲原支局、浜松総局を経て現在、デジタル編集部。「あなたの静岡新聞」の編集編成、コンテンツ制作を担当しています。趣味は読書、映画鑑賞、国際政治の研究。現在は子育てに奮闘中。
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原発処理水放出半年 漁業者は 東電に変わらぬ不信感 福島・いわきルポ【東日本大震災13年】
東日本大震災から間もなく13年を迎える中、静岡新聞社など全国の地方紙が連携し、読者参加型の調査報道に取り組む「ジャーナリズム・オンデマンド(JOD)パートナーシップ」を通じ、福島県いわき市を訪れた。昨年8月から始まった、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が続く地元の漁業者らは東電への変わらぬ不信感を口にした。 2月下旬、原発から南に約55キロ離れたいわき市の小名浜港。漁師歴約60年の志賀金三郎さん(77)は「東電は『基準値以下だから安全』としか説明しない。われわれの不安には応えてくれない」と憤った。 底引き網漁船の船主としてこれまで、「常磐もの」として高い評価を受けてきた地域の漁業を守
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「原発活用容認」減少/処理水「気にしない」半数超 東日本大震災13年・全国地方紙アンケート【NEXT特捜隊】
2011年の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から13年を前に、静岡新聞社など読者参加型の調査報道に取り組む全国20の地方紙は、今後の原発政策についてアンケートを実施した。23年までは物価高などを背景に原発活用を容認する回答が増えていたが、24年は減少に転じた。福島第1原発の処理水の海洋放出後、福島産品を購入することについては「気にしない」との声が多かった。静岡県でも全国とほぼ同じ傾向だった。 【▶静岡新聞社NEXT特捜隊 LINE友達になる】 原発政策の在り方は21年から4年続けて質問した。「積極的に廃炉とし、脱原発を急ぐべきだ」が最多の31・6%で、「すぐにでも全国的に廃炉と
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給食費の徴収と管理どうなっているの? 学校から行政へ移行進む【NEXT特捜隊】
「不登校の娘が学校に行きたいと言うのですが、担任の先生から『給食費の支払いが止まっているので給食を食べられません』と言われました」。小学4年の娘を持つ静岡市駿河区の40代女性から静岡新聞社「NEXT特捜隊」に声が寄せられた。女性いわく「給食費の制度やお金の流れがどうなっているのかよく分からない」とのことだ。 女性が言うように、支払った給食費がどのように使われているのかまで意識することは、あまりないかもしれない。 給食の経費は学校給食法で定められていて、保護者が負担するのは食材費のみ。人件費や施設管理費などは学校設置者の市町が負担している。 不登校や病気で長期間欠席が続く児童生徒は給食を
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飲食店「蒲原館」を継承 あの人に聞きたい/蒲原のまちづくりに尽力 栗山勝訓さん(静岡市清水区)【NEXT特捜隊】
古民家再生やクラフトビール製造など、静岡市清水区蒲原地区の活性化を目的としたまちづくり事業を数多く手掛ける栗山勝訓さん(42)。最近は惜しまれつつ閉店した地元飲食店「蒲原館」を引き継ぎ、変わらぬ味を提供しようと準備を進めている。同地区の自営業の50代女性から「蒲原のイベントには何でも関わっている印象。どんなことをしているのか知りたい」と依頼を受け、訪ねてみた。 地元の宝 なくしちゃだめ 蒲原館が閉店すると聞き、「地元に愛された店を何とか続けてほしい」と店主との話し合いを重ねました。結果的に事業を引き継ぎ、調理担当など従業員を新たに迎えてレシピを継承することになりました。 私自身、
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☕最高の一杯を コーヒー好き高じて独立、30年 「創作珈琲工房 くれあーる」(静岡市駿河区)【記者さんぽ|個店めぐり】
ほんのり甘いような、香ばしい香りが漂っています。静岡市駿河区八幡の県道静岡草薙清水線(通称・南幹線)沿い、ずばり「コーヒー豆屋」と書かれた看板が前から気になっていました。「創作珈琲工房 くれあーる」を訪ねました。店内に入ると、奥から何やら「ゴー」という音が聞こえてきます。 壁には一面商品棚。中南米やアフリカなど世界各地の産地国から仕入れたコーヒー豆の解説が生産者の写真と共に紹介されています。代表の内田一也さん(60)が出迎えてくれました。「ゴー」という音の正体を尋ねると、「ちょうどいま、豆を焙煎しているから」。作業を見せてもらうことができました。 世界各地の産地国から仕
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不思議な世界へようこそ 「魔法のティータイム ヴェルベナ」(静岡市葵区)【記者さんぽ|個店めぐり】
「まるでおとぎの世界に来たよう」「今まで静岡にはなかったお店」。そんな情報を聞きつけ、静岡市葵区七間町のカフェ「魔法のティータイム ヴェルベナ」を訪ねてみました。お店はJR静岡駅から徒歩約15分の、静岡東宝会館やワシントンホテルプラザが並ぶ七間町通りに10月末にオープンしたばかり。ファンタジーの世界観で内外装や料理にこだわっていて、通りを歩く人々も思わず立ち止まってしまうほどです。 出迎えてくれたのは店長の南條未由さん(19)。静岡大学農学部に通う大学生です。なぜ現役の大学生が? 気になるところは追々聞いてみることにして、まずは店内に。 店長の南條さん。現役の大学生で
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たこ焼き、串カツ、海鮮丼... おもしろケーキに込めた店主の思い リモージュ(島田市)【記者さんぽ|個店めぐり】
JR東海道線の六合駅と藤枝駅のちょうど中間あたり。「一風変わった」ケーキが人気を呼んでいると聞いて、島田市東町の「ケーキ工房 リモージュ」を訪ねました。藤枝市との市境に近い幹線道路沿い、かわいらしいクマのパティシエのイラストが描かれた看板が出迎えてくれました。 お店に入ってすぐに目に飛び込んできたのは「ザ・ケーキ屋さん」というショーケース。その一角を見て思わず「うん?」と声が漏れました。 ショーケースの一角に「おもしろケーキ」を発見 たこ焼き、お好み焼き、コロッケ、海鮮丼... ケーキとはとても結びつかない文字。これか! うわさに聞いていた「おもしろケーキ」シリーズにたどり着きました。