知っとこ 旬な話題を深堀り、分かりやすく。静岡の今がよく見えてきます

静岡の高校生が考案! 地元食材も使って絶品メニュー

 静岡県内の高校生が「食」に関連したコンテストや新しいメニューの開発で活躍しています。考え出されたものは、地元の食材をふんだんに使用し、その魅力を詰め込んだものばかり。地元愛に溢れたものとなっています。高校生が考えた関係者絶賛のメニューや活躍ぶりをまとめました。

妹思いの“浜松産”給食 最優秀 大平台高3年 村松さん

 地場産品を使った給食の献立を考える静岡県西部農林事務所主催の「高校生による給食コンテスト」で、浜松大平台高の村松杏咲さん(3年)が最優秀賞に輝いた。浜松市中央区の同校でこのほど表彰式があり、同事務所の石川盛一郎所長から賞状を受け取った。

給食コンテストで表彰された村松さん(中央)と伊藤さん(左)=浜松市中央区の浜松大平台高
給食コンテストで表彰された村松さん(中央)と伊藤さん(左)=浜松市中央区の浜松大平台高
 村松さんは「浜松の食材でワクワク探検隊給食」と題し、豚肉や野菜を素材にした炒め物やみそ汁などを考案。多彩な地元食材を使い、栄養バランスが優れている点が評価された。村松さんは「小学生の妹がおいしく食べられる給食を目指した」と笑顔を見せた。
 同校では韓国料理をテーマにしたメニューを考えた伊藤璃音さん(同)も特別賞を受賞していて、合わせて表彰を行った。
 同コンテストではこのほか、浜松湖東高の山下柚果さん、榊原奏音さんと、浜松湖南高の鈴木実矩さん、牧田琴海さん、鈴木優茉さんの両グループがともに優秀賞に選ばれた。
〈2024.01.26 あなたの静岡新聞〉

最優秀賞受賞の村松杏咲さんへのインタビュー
photo03

 地場産品を使った小学生向け給食の献立を考える静岡県西部農林事務所主催のコンテストで最高賞に選ばれた。「浜松の食材でワクワク探検隊給食」と題し、地元素材をふんだんに使用したスタミナ炒めや野菜みそ汁、ごまあえなどのメニューを開発した。浜松大平台高を3月に卒業した。17歳。
 ―使った食材は。
 「浜松は豚肉の産地だと知っていたので、豚肉を中心に考えた。チンゲンサイやニンジン、大根など地元産の多くの野菜も取り入れた。開発過程で、浜松にどんな食材があるのか自分自身も学ぶことができた。小学生も、この献立を見てわくわくしながら地元食材を知ってもらえたらうれしい」
 ―献立のポイントは。
 「栄養バランスを意識した。小学生はビタミンB1が不足しがちなので、豚肉はその栄養を補うためにも有効と考えた。野菜の食感を残すことで、たくさんかんで食べる大切さも発信できたら。多くの素材をうまく取り入れることができ、自信作ができあがった」
 ―考案の経緯は。
 「学校の授業を通して食品製造やフードデザインなどを学んだ。食品化学の知識をメニューに生かしたかった。小学生の妹が喜ぶ献立にしたいとの考えもあった。食べる人のことを思いながら開発するのは楽しく、いい経験になった」
 ―今後の抱負を。
 「小学生のころから料理が好きで、よく母親を手伝っていた。料理が上手な母親を目標に、自分も腕を磨いていきたい。2人の妹にも料理を教えられたら。食が充実すると毎日が豊かになると思うので、日々の暮らしの中で学んだことを生かしていきたい」
(浜松総局・岩下勝哉)
〈2024.03.16 あなたの静岡新聞〉

三島産食材の魅力満載 地元の大学・高校生 新メニュー開発 市内5店舗で販売開始

 三島市の三島商工会議所の会員飲食店が2月1日から、栄養学や調理を学ぶ学生とともに開発した新メニューを販売する。同商議所で31日に開かれた完成発表会には、地元食材の魅力を詰め込んだスイーツや総菜など5品目が並んだ。

開発したメニューをPRする学生たち=三島市の三島商工会議所
開発したメニューをPRする学生たち=三島市の三島商工会議所
 日本大食物栄養学科の学生と知徳高料理部の生徒が昨年9月、会員飲食店にメニューを提案した。みしまプラザホテル、RAI4、KeitanSweets、mogu―mogu、ロザートが商品化に名乗りを上げ、意見交換や試作を繰り返して作り上げた。
 白菜を使ったメンチカツは、店舗側の提案でみそを使用して素材の味を生かすことに成功。ニンジンを使った洋菓子は、地元で取れたタマゴや蜂蜜も使い、三島の魅力をさらに凝縮した。
 自慢のメニューに仕上げた学生らは「調理時間や大きさを居酒屋に合うように考えることは勉強になった」「高校時代は新型コロナで地域との交流ができなかった分、楽しかった。これからも参加したい」と感想を語った。
 商議所飲食・旅館業部会が、発想力豊かな若者の意見を取り入れ、飲食店の魅力創出や地産地消の推進を目指して取り組んだ。各店舗は期間限定で開発した商品を販売する。店舗やメニューの詳細は同商議所ホームページで公開する。
(三島支局・岡田拓也)
〈2024.02.01 あなたの静岡新聞〉

東北水産加工品レシピ 全国コンテスト 良知さん、桜井さん(相良高)銀賞 「三陸ブリーズサンド」焼津ツナ缶と組み合わせ 評価

 東日本大震災で被災した東北の水産加工業の復興につなげようと全国の高校生から特産品活用のアイデアを募った「うみうまレシピコンテスト」(復興水産加工業販路回復促進センターなど主催)がこのほど行われ、県立相良高福祉家庭部の良知小桜さんと桜井心莉音さんペア=いずれも2年=が西洋料理部門で銀賞に輝いた。

考案した料理の写真と表彰状を手に、受賞の喜びを語る良知さん(左)と桜井さん=牧之原市の相良高
考案した料理の写真と表彰状を手に、受賞の喜びを語る良知さん(左)と桜井さん=牧之原市の相良高
 コンテストには全国26校144チームが出場。昨秋の書類審査を通った16チームが1月、都内で調理実演とプレゼンテーションに臨み、プロの料理人の審査を受けた。
 2人が考案したのは「三陸ブリーズサンド」。福島県松川浦産あおさ入りの衣をつけて揚げた宮城県の笹(ささ)かまぼこのほか、焼津産ツナ缶、県内産レタスなどを食パンで挟み、ホットサンドに仕上げた。素材を生かした味つけや、東北と地元食材のバランスの良い組み合わせが評価された。
 自宅が隣同士で幼稚園から高校まで全て同じだった2人。友情に加え、東北と本県、食を通じた人々の交流など、さまざまな人と人とのつながりを大切にしたいという思いを込めて考案したという。
 入賞者のレシピは今後、一般販売される計画がある。2人は家族や教員に試食してもらって具材や調理法を改良した思い出を振り返り「このレシピが多くの人に東北の特産品を知ってもらうきっかけになればうれしい」と声をそろえた。
(教育文化部・鈴木美晴)
〈2024.01.26 あなたの静岡新聞〉

高校生パンコンテスト 静岡農高の赤野さんに栄冠 絶品ライ麦パン

 第18回パン祖のパン祭(実行委主催)の「全国高校生パンコンテスト」表彰式が(1月)14日、伊豆の国市の韮山時代劇場で行われた。最優秀賞のパン祖のパン祭大賞は、静岡農業高(静岡市葵区)2年赤野莉奈さん(17)=同区=が出品した「ルクスリエース・レーズン・ブロート」が選ばれた。赤野さんは前回から最優秀賞受賞者に贈られることになった農林水産大臣賞と、優秀賞のカリフォルニア・レーズンJr.大賞も獲得した。

全国高校生パンコンテストで3冠に輝いた赤野さん(中央)=伊豆の国市の韮山時代劇場
全国高校生パンコンテストで3冠に輝いた赤野さん(中央)=伊豆の国市の韮山時代劇場
 赤野さんの出品作品は、香ばしい焼き上がりが特徴のライ麦パン。カリフォルニア・レーズンの甘みとパン生地の酸味をバランス良く仕上げた。子どもから大人まで喜んでもらえる味を心がけたという。
 杉山大一大会委員長から表彰状を受け取った赤野さんは「うれしいという言葉以外に見つからない。将来はパンか洋菓子の職人になりたい」と喜んだ。杉山大会委員長は「生地が柔らかく、日持ちする環境に優しいパンでダントツだった」と絶賛した。
 コンテストには全国各地の20校から182作品の応募があり、書類審査を通過した22人が実技審査に臨んだ。
(大仁支局・小西龍也)
〈2024.01.17 あなたの静岡新聞〉
地域再生大賞