テーマ : 編集部セレクト

浜松新野球場 形態、規模 3案議論【「グラレコ」で可視化!静岡県知事選争点㊦】

 静岡県が浜松市中央区の遠州灘海浜公園篠原地区で予定している新野球場整備の方向性が、知事選(9日告示、26日投開票)の争点の一つに浮上している。基本計画素案には概算事業費や収容人数などが多様な3案が盛り込まれ、立候補予定者の間では建設の是非も含め、異なる主張が展開されている。その論点を、手書きの文字や絵で議論を可視化する「グラフィックレコーディング」で描いた。
浜松新野球場 どんな姿に?
 静岡新聞社グラフィック戦略部の梅原陸が、本紙記者から浜松新野球場整備を巡る議論の概要について説明を聞き、作画した。
 新野球場が整備される方向となったのは、県営野球場が東部の愛鷹球場(沼津市、1万3千人)と中部の草薙球場(静岡市駿河区、2万2千人)の二つだけで西部になかったことが発端。浜松市から要望を受け、2014年に川勝平太知事が建設の意向を示した。
 同市内ではプロ野球公式戦などが開催されてきた市営浜松球場の老朽化が進み、同球場の存廃の方向性がなかなか定まらなかった経緯もあり、県の新野球場整備が具体的検討に入るまでに長い時間を要した。
 県は愛鷹、草薙両球場の規模も参考に、新野球場を①1万3千人の屋外型A(概算事業費70億円)②2万2千人の屋外型B(同100億円)③2万2千人の多目的ドーム型(同370億円)の3案に絞った。県議会最大会派の自民改革会議は厳しい県財政や建設資材の高騰などを理由に、低コストな屋外型を支持する意見が目立つ。近くで産卵するアカウミガメにも配慮し、屋外型球場にナイター照明は設置しない方針だ。
 一方、浜松市や浜松商工会議所などでつくる建設促進期成同盟会や、県議会第2会派ふじのくに県民クラブはプロ野球のほか天候に左右されず他のスポーツやコンサートも開催できる多目的ドーム型を希望する声がある。周辺への「道の駅」整備などでにぎわい創出も期待する。
 県は6月ごろに取りまとめる基本計画に3案を併記した上で、1案への絞り込みを目指す。その過程において次期知事が県議会や県民の相対する意向をどう調整するのか、注目される。

 グラレコ制作者 梅原陸 静岡新聞社グラフィック戦略部でグラフィックデザインを担当する。静岡市出身。漫画家としても活動。

いい茶0

編集部セレクトの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞