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静岡県内上場企業 25日から3月期決算発表 円安、物価高 影響は

 静岡県内に本社や主要拠点を置く上場企業の2024年3月期決算の発表が25日に始まる。長期化傾向にある円安が輸出型企業の収益を下支えする一方、記録的な物価高に伴う消費者の節約志向の高まりは内需型企業に痛手になっている。各社の業績にどう反映されているかが焦点となる。
 金融機関や国際会計基準(IFRS)採用企業などを除く県内31社の23年4~12月期決算は基幹産業の自動車関連が好調を持続し、売上高合計が前年の約5兆1千億円から約5兆7千億円へと伸長した。昨夏以降140円台後半で推移した円安や半導体不足の解消がプラスに寄与した。一方、非製造業は新型コロナウイルス禍特需の揺り戻しに苦戦し、小売や通販で最終減益となった。
 決算発表は25日の小糸製作所を皮切りに、大型連休を挟んで5月15日まで続く見通し。ピークは10社の10日。しずおかフィナンシャルグループは同日、スズキは13日。
 足元では、自動車業界の認証不正問題により一部製造業で受注減が生じた。中国、欧州経済の減速も下振れリスクに挙がる。物価高は個人消費の落ち込みを招く一方、インバウンド(訪日客)需要の大幅増などは追い風要因。日銀静岡支店は現況の景気判断を下方修正していて、各社が示す25年3月期通期の業績予想も注目点となる。
 (経済部・河村英之)

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