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水原一平容疑者「依存症の典型」 抑えられない賭けへの衝動

 【ニューヨーク共同】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手の元通訳で違法賭博にはまり、銀行詐欺の疑いで訴追された水原一平容疑者は、ギャンブル依存症の治療を受けることなどを条件に保釈された。依存症患者の救済に取り組む非営利団体「カリフォルニアギャンブル問題評議会(CALPG)」の幹部ロバート・ジェーコブソン氏がオンライン取材に応じ、ギャンブル問題特有の危険性を指摘した。

米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手(左)と水原一平容疑者=3月、グレンデール(共同)
米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手(左)と水原一平容疑者=3月、グレンデール(共同)

 同氏は「賭けへの衝動が抑えられなくなる。数週間、数カ月おきと定期的に起きるのではなく、ある日引き返せない点を越えてしまう」と強調した。水原容疑者は2021年9月から違法スポーツ賭博にのめり込み、24年1月まで約1万9千回もの賭けを繰り返した。
 ジェーコブソン氏によれば、負けを取り戻そうと泥沼にはまるのが依存症患者の典型だという。「5千ドルの損失を穴埋めしようと家族や友人からお金を借りて、さらに負けが膨らむ。クレジットカードのキャッシングも利用する」。大谷選手の口座に手をつけ、1600万ドル(約24億5千万円)以上を胴元側に不正送金したとされる水原容疑者。一般人では手にできない大金に不正アクセスできる立場を悪用し、被害額が膨らんだ。
 CALPGでは九つの診断基準を用い、対象者が依存症か否かを判断、治療に移る。基準には「近しい人との関係がギャンブルにより壊れていないか」の項目がある。メジャー挑戦以降、一心同体に映った大谷選手と水原容疑者の蜜月関係は、ギャンブルを契機とした犯罪で終わりを迎えた。米国ではスポーツ賭博合法化が進む一方で、依存症患者への対策は不十分との指摘もある。ジェーコブソン氏は「ギャンブルにより誰かが傷つくことが問題だ」と訴えた。

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