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茶況(5月16日)取引大詰め、底値横ばい 静岡県産一茶

 静岡市中と静岡茶市場での県産一茶取引は、遅場所の東部や山間地が生産のめどをつけ始め、大詰めを迎えている。採算ラインを意識する生産者側の交渉もあり、底値は前日横ばいの500円周辺で落ち着いた。あっせん業者は「500円を割ると売らないという声を伝えたら、買い手もとうとう根負けした」と話した。
 県外産は鹿児島県種子島から二茶が届いた。すべて品種物で、600円から500円台前半で商談が成立し、一茶相場を受けた低調な取引開始となった。
◇静岡茶市場一番荒茶相場(キロ・円)
▽成立   10,446キロ(県内9,128キロ、県外1,318キロ)
◇鹿児島県茶市場(キロ・円)
▽煎茶上場 26,367キロ
        5,500~300(平均571)

 藤枝 雨の影響などで取引は行われなかった。JA大井川藤枝工場によると、一茶の取引は17日で終了する。一茶の生産を終えた農家は二茶に向け、裾刈りや化粧ならしなどの作業を進めている。
 島田、金谷、川根 茶業関係者の一人は「今回の相場低迷を受けて廃業を考える農家もいる」と話した。生産者の一人は「中盤以降は味ものってきたが、どんどん単価が下がっていった」と肩を落とした。
 榛原、相良 牧之原市内では二茶の収量が例年より減るという見方が強い。一茶の取引状況から二茶生産を取りやめる農家が増えるとみられる。
 掛川、小笠 掛川茶市場には番茶が上場したが出回りは限定的。茶業関係者は一茶生産について「序盤は品質が良かったが、高価格帯の引き合いが弱くペースが上がらなかった」と振り返り、「降雨によるコワ葉化も価格の低下につながった。取引は椅子取り合戦のようだった」とした。
 袋井、森 袋井では、一部で紅茶の生産が進められている。二茶の生産に向けて準備を進めるある生産者は茶園の状態を踏まえ、「一茶に続き、二茶も例年より収穫量は減りそう」と話す。

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