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【知事選情勢分析】鈴木氏、大村氏激しく競る 地域で優劣に差、投票先未定2割 静岡新聞社電話調査

 静岡新聞社は18、19の両日、川勝平太前知事の辞職に伴う知事選(26日投開票)の電話世論調査を実施し、総支局の取材を加味して情勢を探った。県政史上最多の新人6氏が立候補した短期決戦は、元浜松市長の鈴木康友氏を、元副知事の大村慎一氏が激しく追い上げ、無所属新人の両者が競う形で終盤戦に入った。共産党県委員長の森大介氏は2氏に差を開けられている。そのほかの3氏の支持は広がっていない。
 地域によって優劣が大きく異なる状況で、県西部では回答者の6割程度が鈴木氏、中部では5割程度が大村氏を投票先に選んだ。東部では両者が拮抗(きっこう)している。約15年の川勝県政への評価などで投票先が分かれる傾向にあった。投票先を決めていないとした人が2割近くいて、今後の動向が情勢に影響する可能性がある。 

鈴木氏
 鈴木氏は、推薦を受ける立憲民主党支持層の7割、国民民主党支持層の6割を固めた。日本維新の会支持層の6割も取り込む。自民党支持層の2割、自主投票の公明党支持層の3割にも食い込む。無党派層は4割に浸透する。
 投票で重視する項目を「人柄や評判」と答えた人の5割強の支持を得る。リニア中央新幹線建設の是非では「進めるべきでない」と答えた人の支持が大村氏より厚い。川勝県政を「大いに評価する」「ある程度評価する」と答えた人の5割が支持。優先してほしい政策を「医療や福祉」「教育や子育て」とした人の支持は大村氏をしのぐ。
大村氏
 大村氏は、推薦を受ける自民支持層の7割を固め、公明支持層の5割を取り込む。国民支持層の3割、維新支持層の3割など、一部の野党系に食い込んでいるが、無党派層の獲得は3割程度と鈴木氏に後れを取っている。
 投票で重視する項目を「政策や公約」とした人の支持で鈴木氏と競る。リニア建設を「進めるべき」と答えた人の5割近くの支持を獲得。川勝県政を「あまり評価しない」「まったく評価しない」と答えた人の6割弱が支持する。年代別で50代の支持が鈴木氏より厚く、新知事に優先してほしい政策を「防災対策」とした人の支持が鈴木氏を上回る。
森氏
 共産党が11年ぶりに擁立した公認候補の森氏は、共産支持層の6割強しか獲得できず、支持基盤固めに遅れが見える。無党派層の支持も得られていない。リニア建設を「進めるべきでない」と答えた人の2割、川勝県政を「大いに評価する」「ある程度評価する」と答えた人の2割の支持を得る。

立候補者 上から届け出順
 横山正文 56 諸新
 森大介 55 共新
 鈴木康友 66 無新(立民、国民推薦)
 大村慎一 60 無新(自民推薦)
 村上猛 73 無新
 浜中都己 62 無新
 ※諸は諸派、共は共産、無は無所属。敬称略。


調査方法 18、19日の2日間、コンピューターで無作為に発生させた電話番号を使った電話世論調査法「RDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)」で実施した。自動音声応答通話(オートコール)方式を採用し、静岡県内の有権者と答えた人を対象にし、固定電話で732人、携帯電話で309人の計1041人から回答を得た。

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