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3候補、個性にじむ第一声 政策紹介や政治姿勢表明【静岡県知事選】

 静岡新聞社は9日告示された県知事選で、各候補の主張や争点を探るため第一声を分析した。政党の公認、推薦を受けた森大介、鈴木康友、大村慎一の3候補を対象に第一声で頻出した単語を抽出して「共起ネットワーク」と呼ばれる図を作成したところ、「水」「環境」といったリニア中央新幹線建設に関する言及が共通した一方、政治姿勢の表明と政策紹介のどちらに軸を置くか、などの点で違いが浮き彫りになった。
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 テキスト分析ソフト「KHCoder」を使い、3候補が計4回以上発した単語から意味の薄い語を除外して、「3人言及」「2人言及」「1人言及」をそれぞれ発言者と結んだ。最多は「リニア」で計17回。2番の「水」は計10回。水資源保護を全員が訴えた半面、推進と中止で割れた。
 森氏は暮らしの負担軽減、鈴木氏はベンチャー企業の振興、などと独自の政策案の紹介に努め、大村氏は「声を聞く」などと姿勢の説明に特徴的な単語を使ったことがうかがえる。
 同日、法政大大学院の白鳥浩教授(現代政治分析)の研究室も3氏の第一声について、テーマごとの時間配分を分析した。森氏はリニア、原発問題や福祉、労働関連の主張が大半を占めた。鈴木氏は第一声の地に選んだこともあって県東部の地域性を意識した観光、防災、医療問題に34%を充てた。大村氏は自身の人柄や信念、地元愛の説明に多くの時間を割き、これまでの県政の批判にも16%を費やした。
 白鳥教授は「それぞれの候補の個性や(戦略的な)思惑が表れた第一声となった」と指摘。「次の衆院選への前哨戦と見るか、身近な政策に注目するか、県民にはさまざまな選び方ができる選挙。有権者は候補者の主張を聞き比べて投票してほしい」と呼びかける。

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