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⚽清水エスパルス 昇格プレーオフ決勝進出 心一つにゴール死守、山形と引き分け

山形に引き分けてJ1昇格プレーオフ決勝進出を決め、笑顔で声援に応える清水の選手=25日午後、静岡市清水区のIAIスタジアム日本平(写真部・小糸恵介)
 サッカーJリーグ2部(J2)は25日、J1昇格プレーオフ準決勝を静岡市清水区のIAIスタジアム日本平で行った。リーグ戦4位の清水エスパルスは同5位のモンテディオ山形と0-0で引き分け、リーグ戦順位のアドバンテージで12月2日に開催されるプレーオフ決勝に進出した。
 清水は山形の厚みのある攻撃に苦しめられたが、GK大久保択生(34)の安定した対応を中心に最後までゴールを守った。決勝は26日に行われる東京ヴェルディ対ジェフユナイテッド千葉の勝者と対戦する。

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▽準決勝(アイスタ)観衆15742人
清水(J2・4位) 0(0―0 0―0)0 山形(J2・5位)

【評】清水は最後まで山形にゴールを許さず、引き分けた。
 守備網の背後を徹底して突く相手の攻めに苦しんだ。押し込まれた序盤には前半6分、19分と相次いでシュートを打たれた。後半にもピンチがあったが、GK大久保を中心に守り切った。
 前線を含めた高い守備意識で徐々に流れを引き寄せると、乾やチアゴサンタナらがゴールに迫った。後半には原やカルリーニョス、北川に決定機があったが得点は遠かった。

カルリーニョス、北川 途中出場の攻撃陣に見せ場

清水―山形 後半、清水・カルリーニョス(左)が放ったシュートはポストに阻まれる=アイスタ日本平(写真部・小糸恵介)清水―山形 後半、清水・北川(左)が放ったシュートは惜しくも外れる=アイスタ日本平(写真部・小糸恵介)
 得点こそなかったが、後半から途中出場した清水の攻撃陣が相手ゴールに迫り、見せ場をつくった。
 先発を外れたカルリーニョスが後半12分から左サイドに入り、攻撃に厚みを生み出した。最大のチャンスは23分。ハーフウエーライン付近で球を受けると、ドリブルで持ち上がり、右足を振り抜いてミドルシュート。惜しくもポストに当たったが、相手を震え上がらせた。
 試合最終盤に観客を沸かせたのは北川だ。後半22分から普段とは違う右サイドに入り、ゴールをこじ開けようと奮闘。追加時間に右足でカーブを掛けたシュートはわずかに枠を外れた。結果に満足した様子はないが、「次勝てばJ1に戻れる」と次戦を見据えた。
 (運動部・名倉正和)

大久保、決勝導く好セーブ 権田離脱で出番

清水―山形 後半、相手のシュートを防ぐ清水GK・大久保(中央)=アイスタ日本平(写真部・小糸恵介)
 清水の背番号1は試合終了の笛が響くと緊張を解くように白い歯を見せ、守備陣と無失点に抑えた達成感をかみしめた。負ければ終わりの一発勝負のプレーオフで、リーグ戦全試合控えだったGK大久保が先発。最後まで山形の攻撃陣の前に立ちはだかり、チームを決勝に導いた。
 リーグ戦フルタイム出場のGK権田が16日の練習で頭部に球を受け、状態不良により離脱。シーズンを通してサブの立場から味方を支え続けてきた守護神に出番が回ってきた。重圧のかかる大一番。それでも、「自分の良いところを出そう」とプロ16年目のベテランに気負いはなかった。
 勝利が必須の山形は立ち上がりからゴール目がけて襲いかかってきた。前半3分のミドルを皮切りに次々とシュートが枠を捉える。しかし、「はっきりプレーしよう」と意識してピッチに立った大久保が確実にはじき返す。最大のピンチだった後半3分の至近距離からのシュートも素早く右手を伸ばして当て、懐に収めた。
 主将のDF鈴木は試合が終わると真っ先に大久保に駆け寄った。「この結果は択生さんのおかげ」。誰よりも早くクラブハウスを訪れ、入念な準備の下でひた向きに日々の練習に臨む先輩の背中を見ていた仲間は、心一つに力を合わせてゴールを死守した。
 もちろん、チームとしてもろ手を挙げて喜べる結果でないことは誰もが分かっている。「ゴールをこじ開けるところは宿題」と秋葉監督。1週間の準備に全力を尽くし、昇格を懸けた集大成の90分に挑む。
 (運動部・市川淳一朗)

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