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タジク国籍 4容疑者起訴 ロシアテロ 死者137人に

 ロシア連邦捜査委員会は24日、モスクワ郊外のコンサートホールで起きた銃乱射の実行犯としてロシア西部で拘束した容疑者4人をモスクワに移送、テロの罪で起訴した。モスクワの裁判所は25日未明までに全員の逮捕を認め、5月22日までの身柄拘束を許可した。タス通信などが報じた。

24日、モスクワの裁判所に出廷した銃乱射テロの容疑者の一人(タス=共同)
24日、モスクワの裁判所に出廷した銃乱射テロの容疑者の一人(タス=共同)

 4人はいずれも中央アジアのタジキスタン国籍。少なくとも2人が犯行を認めた。25日までに死者は137人、負傷者は182人になった。捜査当局は背後関係や動機の解明を本格化させる。
 4被告は32歳から19歳で、ロシアに出稼ぎに来ていたとみられる。25日付のロシア紙イズベスチヤは、うち1人が今月初めにトルコで犯行の指示を受け、犯行現場を事前に下見していた可能性が高いと伝えた。
 捜査委は24日、現場で犯行に使われたとみられる自動小銃2丁や実弾500発以上、28の弾倉などが見つかったと発表した。モスクワ州やモスクワ市当局によると現在も約100人が入院し、うち30人以上が重傷。
 プーチン大統領は24日を「国民服喪の日」とし、モスクワ郊外の公邸敷地内の教会で祈りをささげた。事件が起きたモスクワ北西クラスノゴルスクの「クロッカス・シティ・ホール」前には花束や子ども用の人形などが置かれ、大勢の市民が涙を拭いながら追悼した。
 事件は22日夜に発生。ロックコンサートの開演直前に武装グループがホールに押し入り、観客に至近距離から自動小銃を乱射した。ホールでは火災と爆発が発生。過激派組織「イスラム国」(IS)が22日に犯行声明を出し、23日には襲撃の様子とする動画を系列メディアで公開した。
 (共同)
邦人被害なし  林芳正官房長官は25日の記者会見で、ロシア・モスクワ郊外のコンサートホールで起きた銃乱射テロを巡り、現時点で邦人の被害情報には接していないと明らかにした。「テロの犠牲となったロシアの人々への連帯を表明する」とも述べた。
 事件について「一般市民に対するテロ攻撃を断固として非難する」と強調。「遺族に対し、心からの哀悼の意を表し、負傷者にお見舞い申し上げる」と語った。
 (共同)
15歳バイト少年 100人以上救う 「仕事の一つ」 乱射現場で避難誘導  「あっち、皆さんあっちへ逃げて!」。ロシア・モスクワ郊外のコンサートホールで22日夜に起きた銃乱射事件では、会場でアルバイトとして働く少年が、避難する来場者を誘導し100人以上の命を救った。複数の現地メディアが24日、大きく伝えた。
 少年は学校8年生(中学生に相当)のイスラム・ハリロフさん(15)。上着などを預かるクローク担当として夕方に出勤した。最初は「騒がしい連中が来たな」と思っただけだったが、銃声と逃げ惑う人で、すぐに事態を把握した。
 実行犯らは1階ロビーからホールに侵入してきたため、正面玄関に向かって避難するのは危険だ。ハリロフさんは、来場者が本来通れない従業員通用口を開放。いつ撃たれるか分からない中、叫び声を上げて人々を誘導し、完了を見届けて自分は最後に出た。他にもアルバイトの少年3人が同様の行動を取ったという。
 「非常時の訓練はいつも受けている」とハリロフさん。それでも現地メディアは、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行を主張するテロが「誰も予期できないほどの非常時だ」とし、冷静で勇気ある対応を称賛した。
 ハリロフさんは南部ダゲスタン共和国出身で、イスラム教徒の家庭に育った。「母親は無事を知り、泣いていた。自分は男性が撃たれた光景が頭から離れない」。テロで傷ついたロシア社会から英雄視されても、本人は「仕事の一つ。目の前で100人が死ぬくらいなら、自分が犠牲になった方がいい」と謙虚に話した。
 (時事)

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