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紅こうじ 死者2人に 入院106人 3商品回収命令 昨年9月以降製 被害偏り

 小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」のサプリメントを巡る健康被害問題で、厚生労働省は27日までに、同社から2人目の死亡例が報告されたと明らかにした。サプリ摂取後に入院したのは106人という。同社は昨年9月以降に製造された「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」を摂取した人に健康被害が偏っていると報告。小林章浩社長らが29日午後、大阪市内で記者会見すると発表した。
 大阪市は27日、食品衛生法に基づき、自主回収対象3商品の回収命令を出した。「紅麹コレステヘルプ」はこれまでに約100万個を販売。流通量が多く、回収には数カ月を見込む。回収後、さらに廃棄命令を出す方針。
 厚労省によると、2人目の死亡例は、同社が公表した1人目と同様に腎疾患とみられるが、詳しい情報はないという。同社への相談メールは約3600通に上る。厚労省は28日にも、医師を委員とする専門家会合を開き、今後の対応方針を話し合う。
 3商品は「紅麹コレステヘルプ」3種類と「ナイシヘルプ+コレステロール」「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」。厚労省は「有害物質が含まれている疑いがある」と判断し、大阪市に対し、廃棄命令などの措置を取るよう通知した。
 大阪市は、同社に原因究明の調査状況や製造工程などを直ちに報告するよう指示した。市保健所長から小林社長宛ての26日付の文書は①患者の氏名や摂取ロットなどの健康被害情報②紅こうじ原料の販売状況③原因究明の調査状況④製造工程に関する情報-の報告を求めた。
 岐阜県は、小林製薬の紅こうじ関連商品を受託製造していたメーカー「アピ」の同県池田町の工場に立ち入り調査したと明らかにした。大阪市の依頼を受け、26日に実施。市は関連商品の製造工場がある富山市にも調査を依頼した。
 林芳正官房長官は記者会見で「機能性表示食品の安全性に対する疑念を抱かせる深刻なものだ」と述べた。政府内で緊密に連携するため、厚労、農林水産両省と消費者庁は27日午後に関係省庁連絡会議を開いた。
 小林製薬は、4月1日に大阪市のホテルで開催を予定していた入社式を取りやめると発表した。新入社員81人が出席し、小林社長の訓示などを計画していた。被害拡大を受けた対応という。

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