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母親の不起訴「不当」 1カ月未満男児に傷害 静岡検察審査会

 静岡検察審査会は2日までに、生後1カ月に満たない息子に重度の後遺症を伴うけがを負わせた傷害の疑いで送検された女を不起訴とした静岡地検の処分を、「不起訴不当」と議決した。検審は、女の供述は真実を述べていない可能性があるとして「他に調べが必要」と指摘した。地検は再捜査する。
 議決は4月25日付。検審によると、女は2021年2月22日ごろから25日ごろまでの間、静岡市葵区の居宅で、当時生後1カ月に満たない息子に何らかの暴行を加え、甲状腺機能低下症や症候性てんかんといった重度の後遺症を伴う急性硬膜下血腫などの傷害を負わせたとされる。
 検審は、女が夫に送信したLINE(ライン)のメッセージには虐待を記す内容が多数認められると指摘。女と昼間2人きりの部屋の中で、寝返りすらできない男児が後遺症の残るほどのけがを負うことは「通常ありえない」とした。女は産後うつ病を発症していて、平手打ちなどの行為について弁解していたが、男児が負った頭部損傷は「平手打ち程度ではなく、何らかのもっと強い外力を身体に加えたからであろうと考えるのが自然」とした。
 地検などによると、女は逮捕されず任意で調べを受けていた。地検は23年3月30日付で不起訴処分とした。理由は明らかにしていない。同年11月、男児の父が代理人として審査を申し立てていた。

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