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個人向け保険もカルテルか 損保4社 企業向けに続き 割引率抑制 調整疑い

 損害保険大手4社が企業や団体の従業員が加入できる「団体扱(あつかい)保険」で、保険料を事前に調整していた疑いがあることが13日までに分かった。企業向け保険に続き、個人向けでもカルテルを結んだ可能性がある。団体扱保険は大口契約として保険料を割り引くことが多く、4社が事前調整して割引率を抑え、加入者に不利益が生じていた恐れがある。

損保カルテル問題の経過
損保カルテル問題の経過


 主に自動車保険で不適切な調整があったもようだ。対象となった企業や団体は100社を超える可能性が浮上し、金融庁が実態把握を進める。
 4社は東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険。各社は、対象の企業数などを詳細に調べている。
 団体扱保険は、損保各社が企業や団体を窓口にして販売。企業側は、従業員に自動車保険や火災保険の加入を募り、契約者の給与天引きなどで保険料を集めて支払う。契約数や損害率に応じて保険料が割り引かれ、同じ内容の保険に個人で加入するよりも割安となり、企業が福利厚生の一環として導入する例が多い。
 今回、複数の損保大手が同じ企業に団体扱保険を提供した際、担当者同士で割引率の設定などに関する情報共有があったとみられる。
 4社は企業や官公庁向けの「共同保険」で保険料を事前調整したカルテル問題で、昨年12月に金融庁から保険業法に基づく業務改善命令を受けた。今年2月に提出した業務改善計画書では、大手の一部が共同保険での再発防止策に加え、団体扱保険を引き受ける際のルール整備の必要性にも言及していた。
 共同保険のカルテルでは保険料が高止まりした疑いがある。金融庁は、団体扱保険で割引率を抑制した場合の契約者への影響度合いについて慎重に調べるとみられる。

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