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勾留中の死亡 署幹部、業過致死容疑で書類送検へ 愛知・岡崎

 愛知県警岡崎署の留置場で昨年12月、男性=当時(43)=が勾留中に死亡した事件で、持病があるのに適切な医療を受けさせなかったなどとして、県警は来月1日にも、業務上過失致死容疑で、留置業務の担当だった署の幹部ら複数人を書類送検する方向で最終調整していることが28日、捜査関係者への取材で分かった。署長、副署長の立件は見送る見込み。
 捜査関係者によると、男性を蹴るような様子も監視カメラ映像に残されており、関わったとみられる署員については特別公務員暴行陵虐容疑で書類送検する方向で検討している。暴行と死亡との因果関係はなかったと判断したとみられる。
 署長らは現場から報告を受けていなかったと説明し、留置場の巡視を怠っていた可能性があるという。状況を把握しておらず、男性の死亡を予見することや、死亡を回避するための判断ができなかったとされる。署長は留置業務管理者として責任を負うため刑事処分とは別に監察部門が処分の可否を検討している。
 男性は昨年11月25日に公務執行妨害容疑で逮捕され、勾留中の12月4日に死亡した。司法解剖結果などによると男性の死因は腎不全。脱水症状があったという。男性には糖尿病と統合失調症の持病があった。
 県警は男性が暴れたため、1人用の保護室に収容。身体を拘束する「戒具」を計約130時間使用し、持病の薬を与えなかったり、食事を拒絶していたのに医療措置を講じなかったりするなどの不適切行為が明らかになっている。
 業務上過失致死の疑いが持たれているのは留置を担当していた幹部ら複数の署員で、適切な対応を怠り男性を死亡させた疑いがある。県警は昨年12月、岡崎署を家宅捜索。署員らから事情を聴いていた。
 事件を受け県警は、本部留置管理課の担当者を増員し、各署の留置場での指導を強化。精神疾患の疑いがある被留置者が適切な診療を受けられるよう、県精神科病院協会に協力を仰ぐなどの対応を始めた。 

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