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空の便で地域間交流1.5倍に 日航 ユニークな経営目標 新指標導入、観光以外の魅力も探る

 日本航空が、空の移動で生まれる地域間の交流を1・5倍に増やすというユニークな経営目標を新たに掲げた。観光に限らない各地の魅力を広める活動などを通じ、人口減少で伸び悩みが想定される国内線の需要をてこ入れする狙いがある。

「つながり総量」増加のイメージ
「つながり総量」増加のイメージ

 1年間に同じ地域を2回以上訪れたマイル会員の人数と、訪れた回数を掛け合わせた「つながり総量」と呼ぶ新たな指標を導入。110万人が平均4回移動した2023年の総量440万を、30年度に1・5倍の660万まで増やす。「つながり総量」は筑波大と共同で算出した。
 核となる取り組みの一つが、希望して就航地に移住した客室乗務員「JALふるさとアンバサダー」による活動だ。現在は20人が特産品を使った食品や地元一押しの観光地を巡る旅行商品の開発などに携わる。
 日航は地域間の移動をさらに促す方策も探る。顧客データの分析やマイル会員へのアンケートを通じて運賃の高さや宿泊施設の不足、空港のアクセスの悪さといった具体的な障壁を明らかにし、自治体や地域の企業と共有することから始める。
 観光に偏ったPRからの脱却も課題となる。景気の波に左右され、観光客が消費したお金も大型ホテルなど地元以外の大企業に流れるという構図になりがちだ。地域間のつながり増加に向けた研究に携わる日航の与口彰英主席研究員は「観光以外の活性化の手段を見つけたい」と意気込んでいる。

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