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スルガ銀行が控訴 創業家巡る訴訟

 創業家の関連企業(ファミリー企業)に対する不適切な融資が損失を招いたとして、スルガ銀行が岡野光喜元会長ら7人を相手取り、総額26億4400万円の損害賠償を求めた訴訟で、原告のスルガ銀行は8日、請求を棄却した静岡地裁判決(4月25日付)を不服として東京高裁に控訴したと発表した。
 スルガ銀行は「事実認定および法解釈のいずれの判断についても承服しかねるとの結論に至った」とコメントした。控訴審では地裁判決の取り消しや、引き続き同額の賠償金の支払いなどを求めるとしている。
 被告は岡野元会長の他、元会長の実弟でもある故岡野喜之助元副社長の相続人や元取締役ら6人。地裁判決によると、スルガ銀行は2013~17年、岡野元会長が代表理事を務める美術館に、8回にわたり計47億6200万円を寄付した。銀行側は寄付の承認決議では重要事項の説明がなかったとして、「ファミリー企業への資金融通が真の目的」と主張していたが、地裁は寄付について「合理的な範囲を超えない」と判断。寄付に関与した当時の経営陣の注意義務違反も認められないとして訴えを退けていた。

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