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物価目標「進展せず」 米FRB

 【ワシントン共同】米連邦準備制度理事会(FRB)は1日、連邦公開市場委員会(FOMC)で主要政策金利を5・25~5・5%で据え置くことを決めた。金利の維持は6会合連続。パウエル議長は会合後の記者会見で「ここ数カ月、物価上昇率2%の目標達成に向けて進展していない」と指摘。利下げの開始時期が遅くなる可能性を示唆したことで、円安圧力につながりそうだ。
 FRBが3月に公表した経済見通しでは、年内3回の利下げを見込んでいた。ただ足元の経済指標で物価上昇率が拡大しており、市場では年内の利下げが1回程度にとどまるとの観測へと後退している。米国の高金利が続けば、緩和的政策を続ける日本との金利差が意識され、一段と円安が進む可能性もある。
 1日のニューヨーク外国為替市場では、円が対ドルで一時急騰し、その後円安方向に戻すなど乱高下した。日本政府・日銀が為替介入に踏み切ったとの観測も出ている。
 パウエル氏は、物価上昇率が2%に向かうとの確信を得るには「以前の予想よりも時間がかかる」と指摘。これまでは「年内のある時点で始めるのが適切だ」としていた利下げに関し、1日の会見では「経済指標次第だ」と繰り返すにとどめた。「次の政策の動きが利上げになる可能性は低い」と述べたものの、インフレ再燃に対する警戒感の高さをにじませた。

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