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余剰電力を地域通貨で調達 静岡ガス、島田で新事業 公共施設に供給、経済循環促進

 静岡ガスは23日、一般家庭の太陽光発電で生じる余剰電力を買い集め、地元の公共施設に送るサービスを島田市で開始したと発表した。各家庭への電気料金は、地元商店で活用できるデジタル地域通貨「しまだペイ」で支払う。通常よりも割高な買い取り価格を設定し、エネルギーと経済の地域循環を促進する。

余剰電力の買い取りサービスのイメージ
余剰電力の買い取りサービスのイメージ

 調達した電力は市役所庁舎や小中学校、公民館など同市所有の47施設に分散して送る計画。同社によると、10年の固定買い取り制度(FIT)適用期間後は1キロワット時当たり7~9円程度で買い取られるのが通常だが、同サービスは同13・2円分のしまだペイを付与する。一般家庭の余剰電力は年間3千~4千キロワット時とされ、月換算で2千~3千円ほどの通貨が支払われることになる。
 対象は同市内の家庭のほか、同市への通勤者などを想定して周辺市町の住民からも売電を受け付ける。4月に運用を開始したしまだペイの登録店舗は、現時点で島田市内のドラッグストアや飲食店など20店舗。今後は売電料金以外でも通貨をチャージできる仕組みを整え、消費喚起に向けた市の金券事業に参加する約800店まで拡大を目指す。
 静岡ガスと同市は20年、持続可能なまちづくりに向けた電力供給に関する協定を締結した。同社は他市町でも同様のサービス展開を検討する。担当者は「売電する意思を住民に持ってもらい、地域の電力を地域で使ってもらえる仕組みを広めたい」と語る。
 (経済部・金野真仁)

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