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環境配慮型住宅「ZEH」マンション 建設続々 省エネ性能に魅力 表示制度開始 需要掘り起こし

 省エネや高断熱などの性能で国基準を満たした環境配慮型住宅「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」のマンション建設が県内で広がっている。4月に建築物の省エネ性能ラベル表示制度が始まり、環境性能が住宅価値を判断する明確な基準として位置づけられた。不動産業者は省エネによる光熱費削減や快適性といったエコ住宅のメリットを発信して需要の掘り起こしに力を入れる。

ZEH基準を満たしたマンション。電力使用状況も確認できる=静岡市駿河区
ZEH基準を満たしたマンション。電力使用状況も確認できる=静岡市駿河区
高断熱などZEH基準を満たしたマンション=静岡市駿河区
高断熱などZEH基準を満たしたマンション=静岡市駿河区
高断熱などZEH基準を満たしたマンション=静岡市駿河区
高断熱などZEH基準を満たしたマンション=静岡市駿河区
ZEH基準を満たしたマンション。電力使用状況も確認できる=静岡市駿河区
高断熱などZEH基準を満たしたマンション=静岡市駿河区
高断熱などZEH基準を満たしたマンション=静岡市駿河区


 静岡市駿河区八幡で3月、ZEH基準の賃貸マンションが完成した。所有する静岡不動産(同市)によると、ソーラーパネル71枚を配置した屋上から電力が各住戸に送られ、未使用分は売電されて入居者の収入となる。二重窓や高断熱素材を採用して空調効果も高め、2LDKの電気料金は通常の住宅と比べて月額7千円削減を見込む。
 駐車場には電気自動車(EV)の充電設備を7基設け、太陽光発電とも連結させた。入居者はスマートフォンなどで電力の使用状況を随時確認できる。賃料は月16万円程度と高めだが、長倉雅彦社長は「光熱費の節約効果と快適性を実感できるエコ住宅の需要は今後高まる」とみる。
 遠州鉄道も、浜松市のJR天竜川駅前に同社初のZEHマンションを建設中。来年2月に完成予定で、断熱性に優れ、室内温度にむらが少なく、ヒートショックなどのリスクも低い次世代マンションとして売り出す。担当者は「国の補助金もあり、購入者のメリットは大きい」と話す。
 長泉町で県東部初のZEH分譲マンションを販売するのはフジ都市開発(静岡市)。同市では2023年に完成したZEHマンションの入居が始まり、光熱費の軽減などで好評という。「ZEH住宅の普及が環境への配慮、意識付けの一助になれば」としている。
 (経済部・金野真仁)

購入時の判断基準に  国土交通省によると、2024年度以降に建築確認申請を行う建築物には、エネルギー消費や断熱性などの省エネ性能を記したラベルを表示する努力義務を販売・賃貸業者が負う。同省の担当者は「住宅を購入する判断基準に環境性能を加え、省エネ意識を高めるのが狙い」と説明する。
 住宅・建築物分野のエネルギー消費量は国内全体の約3割とされ、国はカーボンニュートラルを目指す50年に向けたロードマップを作成した。25年度には全ての新築建物に省エネ基準が適用され、同基準は30年度までにZEH水準に引き上げられる予定。
 全国で建設される集合住宅のうちZEHマンションが占める割合は、18年度の0.3%から20年度に3.0%へと上昇。22年度は24.4%まで高まり、今後さらなる普及が見込まれている。

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