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沼津観光しながら「ふるさと納税」 飲食やレジャーが返礼品に、サービス料に応じてその場で寄付 全国初の取り組み

 沼津市は25日、現地寄付型ふるさと納税システム「ふるさとGO」の運用を開始した。返礼品は地元ならではの飲食やレジャーなど現地で受けるサービス。チケット型でなく、その場のサービス料に応じて寄付額を算出するのは全国初という。同市のふるさと納税の寄付額は近年急増し、今回の新たな取り組みで充実を図る。

デモンストレーションをする関係者。サービス料を打ち込むと、下部に寄付額が表示される=沼津市
デモンストレーションをする関係者。サービス料を打ち込むと、下部に寄付額が表示される=沼津市

 システムを取り入れる店は沼津港を中心とした八つの飲食店。一大観光地と連携することで、広くサービスをPRする。
 導入初日の25日、沼津港内のすし屋「すし処 古川」には、システムを開発、運営する「マイウェイ」や事業に協力する関係者ら約15人が集まった。店舗にある専用QRコードを読み込み、サイトに飲食代を打ち込むと寄付額が表示される仕組みで、参加者はシステムの流れなどを確認した。
 サービス料3千円以上から利用できる。寄付額(店の会計)は30%が返礼額となり、千円単位で繰り上がる。飲食3千円の場合は寄付1万円、3100円の場合は1万1千円となる。
 店は設備投資の必要がなく新たな顧客を見込める。同店の鈴木誠店長(50)は「沼津港全体の客が増えてくれるとうれしい」と期待する。
 市ふるさと納税推進室によると、2018年度に3億900万円だった寄付額は22年度には23億1200万円と、5年間で約7・5倍に。23年度は44億9600万円を見込む。市は22日のふるさと納税戦略会議で、本年度の寄付目標額を前年度比1・2倍の55億円に決めた。
 担当者は「新たなシステムの導入でアプローチの仕方が変わり、新規寄付者を開拓できる」と意気込む。レジャーなど体験型の返礼品も登録していく。
 (東部総局・天羽桜子)

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