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G20 ドル独歩高警戒

 20カ国・地域(G20)は17、18日に米首都ワシントンで開く財務相・中央銀行総裁会議でドル独歩高の影響に触れる見通しだ。新興国は、ドルに対する自国通貨の下落で輸入物価が上昇し、経済成長が阻害されかねないと懸念する。自国での通貨安の対応策に限りがある中、G20で連帯を呼びかける可能性が高まっている。
 新興国の通貨安は深刻だ。G20議長国のブラジルのレアルは対ドルで、今年1月4日から4月12日までに4%以上下落した。トルコのリラも9%近く安くなった。資源などを輸入する新興国では物価高につながるため、為替介入や予期せぬ利上げなどの対応を余儀なくされている。
 ドル高が進むのは、堅調な米国経済を背景とした政策金利の差がある。物価の上昇に伴う雇用や消費への悪影響が想定以上に少なく、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げに踏み切れていない。市場では、他国との金利差が意識され、投資家がドルを買って他国の通貨を売ることで、ドル独歩高を招いている。
 G20の財務相会議は、これまで世界経済や国際金融の安定化を目的に、外国為替市場を議論してきた。過去の共同声明では「為替の過度な変動や無秩序な動きが、経済と金融の安定に対して悪影響を与え得る」と指摘した。今回のG20で、通貨安のリスクをどこまで共有するかが注目される。

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