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河合楽器・健太郎新社長が就任会見 「ピアノ世界一」へ妥協せず

 河合楽器製作所は9日、河合健太郎新社長(46)の就任会見を浜松市中央区で開いた。創業者の河合小市氏ら歴代トップが培ってきた「カワイイズム」を継承し、生産力や品質向上に努めて「世界一のピアノづくり」にまい進する方針を語った。

就任会見に臨んだ河合楽器製作所の河合健太郎新社長=9日午前、浜松市中央区
就任会見に臨んだ河合楽器製作所の河合健太郎新社長=9日午前、浜松市中央区
「世界一のピアノづくり」に向けた意気込みを語った河合楽器製作所の河合健太郎新社長=9日午前、浜松市中央区
「世界一のピアノづくり」に向けた意気込みを語った河合楽器製作所の河合健太郎新社長=9日午前、浜松市中央区
就任会見に臨んだ河合楽器製作所の河合健太郎新社長=9日午前、浜松市中央区
「世界一のピアノづくり」に向けた意気込みを語った河合楽器製作所の河合健太郎新社長=9日午前、浜松市中央区

 河合健太郎社長は2月23日に急逝した会長兼3代目社長の河合弘隆氏を引き継ぎ、同28日に社長に就任した。昨年10月に弘隆氏が体調を崩した後、ことし4月1日付の社長就任に向けて準備を進めていたという。就任からここまでを「大きな混乱もなく、社長としての仕事をスタートさせることができた」と振り返った。
 2023年4~12月期連結決算はコロナ禍の巣ごもり需要の一服感や、中国の市況悪化などの影響で第3四半期として3年ぶりの減収減益となった。今後1年は在庫適正化を進めて耐えながら、市況好転後に「攻めに転じる」方針を示した。電子ピアノを生産するインドネシア工場の生産能力を現在の2倍にするほか、教育事業を東南アジアにシフトするなど、反転攻勢に向けた戦略を語った。
 「世界一のピアノづくり」に向けては、ショパン国際ピアノコンクールなどで「カワイのピアノを弾いたピアニストが優勝することが目安」とし、ブランド力を高めるためにアコースティックピアノの品質向上に妥協を許さない姿勢を改めて強調した。

新社長略歴
 河合健太郎氏(かわい・けんたろう)神戸大経済学部卒。取締役執行役員、楽器製造本部長兼ピアノ事業部長、専務などを経て、2020年6月副社長。大阪府出身。


音楽教育の海外展開加速 一問一答  河合健太郎新社長の一問一答は次の通り。
 ―2027年の創立100周年に向けては。
 「ゴールでなく通過点。次の100年に向けて楽器づくりを向上させ、若い社員が希望を持って働ける企業を目指す」
 ―どんなリーダーシップを発揮するか。
 「企業として目指す方向性を分かりやすい言葉で伝える。『世界一のピアノづくり』というのは抽象的な表現だが、社員が心から思う人が増えれば実現する。何を持って世界一と言うかは、私がこれから言葉で表現していく」
 ―事業展開は。
 「ベースはグランドピアノを中心とした鍵盤楽器の拡大。一方で既存市場以外の新興国、特に東南アジアで取り組んでいる音楽教育事業の海外展開を加速させたい。インドネシア工場の具体的な生産能力は申し上げられないが、最大で2倍程度の生産能力にしたい。時期としては2027年が目標。市況の悪化で想定より遅れるかもしれないが、そんなに遠い未来の話ではないと思う」
 ―座右の銘は。
 「意志あるところに道は開ける、できない理由を考えるよりはできる方法を考えて実践しようの二つ。意識して経営に生かしたい」

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