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HOYAシステム障害→東海光学、ニコンに注文殺到 眼鏡レンズ 遅延ドミノ

 眼鏡レンズを製造する東海光学(愛知県岡崎市)やニコンのグループ会社でレンズ供給の遅延が生じていることが8日、分かった。国内最大手HOYAの供給がシステム障害で滞った余波で、注文が殺到して生産能力を超えたため。ドミノ倒しのように混乱が業界内に広がり、眼鏡チェーン店を中心に一部の眼鏡をすぐにつくれない問題が長期化するのは必至だ。
 東海光学が眼鏡店側に4日付で出した文書を共同通信が入手した。東海光学は注文の集中する状況が「2週間以上は続く見込み」で「特注レンズの納期は一律4日加算する」と通知した。ニコン・エシロール(東京)も納入遅れを余儀なくされている。
 HOYAの障害は3月30日に発生し、複数のレンズに関して生産や受注を停止した。HOYAとセイコーグループが出資するセイコーオプティカルプロダクツ(東京)でも障害が起きた。東海光学とニコン・エシロールを含めた4社が国内主要メーカーとされる。東海光学によると、同社の国内市場シェアは16%。他の3社のシェアは明らかになっていない。
 一部眼鏡の販売停止や遅れに追い込まれたのは、大手チェーンの「JINS」や「Zoff(ゾフ)」、「眼鏡市場」など。JINSを展開するジンズ(東京)は「(HOYA以外の)他レンズメーカーへの振り替えなど鋭意調整している」と説明した。
 HOYAによると、障害が復旧するめどは立っていない。原因は外部からの不正アクセスの可能性が高い。機密情報や個人情報が流出した可能性を調べており、解析には相当の時間を要する見通し。

 HOYA 情報通信、映像、健康・医療など幅広い分野で事業を展開する総合光学機器メーカー。1941年に東京・保谷町(現西東京市)で「東洋光学硝子製造所」として創業。創業地にちなんで84年に現社名に変更した。62年に製造を始めた眼鏡レンズは世界シェア2位、国内では最大手。産業用途では、半導体の製造工程に欠かせないガラス製品「マスクブランクス」で世界シェア首位を誇る。東京証券取引所のプライム市場上場。2023年3月末時点のグループ従業員数は3万6571人。

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