テーマ : 熱海土石流災害

熱海・逢初川上流域 盛り土前に大規模崩落 市の公文書開示で判明

 熱海市伊豆山の大規模土石流で起点になった逢初(あいぞめ)川上流域の開発を巡り、市は26日までに、静岡新聞社の情報開示請求に応じて昨年10月の一斉公表に含めていなかった行政手続きに関する公文書を開示した。盛り土(積み上げた残土)が造成される前の開発初期の文書には、土石流起点付近の斜面で地山が大規模崩落した状況を捉えた写真が掲載されていた。

台風の影響で斜面が大規模に崩落し、水道施設(左下)を覆った土砂=2007年7月、熱海市の逢初川上流域(市公文書より抜粋)
台風の影響で斜面が大規模に崩落し、水道施設(左下)を覆った土砂=2007年7月、熱海市の逢初川上流域(市公文書より抜粋)
逢初川流域の砂防指定地の指定状況
逢初川流域の砂防指定地の指定状況
台風の影響で斜面が大規模に崩落し、水道施設(左下)を覆った土砂=2007年7月、熱海市の逢初川上流域(市公文書より抜粋)
逢初川流域の砂防指定地の指定状況

 開示されたのは2004~18年に市に権限のあった県風致地区条例や市まちづくり条例などに基づく開発業者との協議や対応状況を職員が記録した文書。隣の鳴沢川流域と一体的に行われた開発状況の写真も多数含まれる。市は「(土石流起点の)崩落地に関する届け出と直接関係ない」として一斉公表時に開示していなかった。
 今回の開示分のうち盛り土造成前の07年7月の文書には、水道施設「七尾調圧槽」上部の斜面が台風の影響で崩れ、樹木や大量の土砂が施設を覆う場面を撮った写真があった。
 市水道温泉課は「台風によって土砂が崩れた。自然災害と考えていて、開発行為との因果関係はよく分からない」と説明。土砂の除去は当時の土地所有者に求めたが応じず、災害対応として市が行ったという。水道施設は、県の砂防担当者が山腹状況を確認せず砂防規制を放置した上流域に設置されている。

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