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熱海土石流の遺族、市長と直接面談 被災復興の進め方で意見交換

 熱海市の斉藤栄市長は24日、同市伊豆山で2021年7月に発生した土石流の犠牲になった太田和子さん=当時(80)=の長男、朋晃さん(57)が避難生活を送る市内のアパートを訪ね、被災地の復興の進め方などについて説明した。

太田朋晃さん(左)と面談し、復興計画の考え方を説明する斉藤栄市長=24日午後、熱海市
太田朋晃さん(左)と面談し、復興計画の考え方を説明する斉藤栄市長=24日午後、熱海市

 面談は、朋晃さんを含む遺族被災者6世帯12人が6月下旬、復興計画の見直しや斉藤市長との直接対話などを求める要望書を提出して実現した。
 面談は冒頭を除き報道陣に非公開で行われた。斉藤市長は和子さんの仏前で焼香し、住民の生命財産を守れなかったことを改めて陳謝した。その上で、住民や被災者の声を広く聴き、必要に応じて復興計画を修正すると約束した。
 市が6月に開いた住民説明会では、市長と被災者の対話が不足し、信頼関係が成り立っていないとの不満が噴出していた。面談後の取材に、斉藤市長は「指摘を率直に受け止め、対話を深めていきたい。住民が納得しないまま計画を進めるわけにはいかない」と述べ、今後も要望書を提出した人に限らず、対話を重ねていく考えを示した。
 これに対し、朋晃さんは「直接対話することで、信頼してみようという気持ちが生まれる。以前からこういう形で被災者の意見を聴いてほしかった」と語った。現状の復興計画については「現地の安全や利便性向上につながれば異論はない。大事なのはその過程。信頼感が深まるか、不信感が生まれるかは、今後の対応次第だ」と話した。

 

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