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熱海土石流 静岡県の行政対応検証委「独立性なし」 出石委員、県議会で見解 「県の中に事務局」問題視

 熱海市伊豆山の大規模土石流災害に関する静岡県議会特別委員会が13日開かれ、県行政対応検証委員会の委員を務めた出石稔関東学院大教授(行政法)が参考人として出席した。出石氏は、県と市の行政対応に関する報告書をまとめた検証委について「(県から)独立していなかった」との見解を示した。報告書の内容は「適正だった」としながらも、県が所管する法令などの追加検証を提案した。

県議会特別委員会に出席し、質疑に応じる出石稔関東学院大教授=13日午前、県庁
県議会特別委員会に出席し、質疑に応じる出石稔関東学院大教授=13日午前、県庁

 検証委に関して「県の中に事務局が置かれ、知事から要請されて議論されていること自体、独立と言えるのか」と独立性を否定。県主導だったのかという質問には「われわれに分からない。(県職員OBで構成する)事務局主導とは言える」と答えた。
 盛り土造成前の開発行為を検証対象から外したことについては「妥当かどうか分からないが(県から)検証委に与えられた使命は盛り土造成以降の検証だった」と述べるにとどめた。検証作業は届け出などの動きのあった県土採取等規制条例に焦点を当てたと説明する一方で、「違う視点はあるのではないか」として砂防法や森林法、廃棄物処理法などをさらに検証してはどうかと提案した。
 報告書の取りまとめ段階の議事録を事務局の判断で作成、公開しなかったことには「妥当ではない」と批判し、事務局が報告書の原案を作っていたことも明らかにした。検証終了後、関係資料を公文書として扱わず廃棄したことも「県の文書として残していないのは疑問だ。検証委は文書管理の部分だけ(県から)独立していた」と疑問視した。
 県議会特別委は出石氏への質疑で、検証委委員4人全員の聴取を終えた。今後、再検証の在り方を検討する。

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