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熱海土石流再検証報告、静岡県が先送りへ 県議会9月定例会 作業完了できず

 熱海市伊豆山の土石流災害で、静岡県が内部検証している違法な盛り土造成に関わる行政対応について、県は11日までに、県議会9月定例会で予定していた検証結果の報告を見送る方針を固めた。内部検証は県議会特別委員会の提言を受けて、7月に設置した庁内検証委員会が進めているが、検証作業が終了しない見込みという。関係者への取材で分かった。

静岡県庁
静岡県庁

 庁内検証委員会は対象法令に関係する各課の課長で構成し、週1回程度、各課が保管する公文書を基に協議している。県は県議会6月定例会総務委員会で、9月定例会で関係する複数の常任委員会に報告し、議事録を公開すると説明していた。
 関係者によると、内部検証は事実関係の確認や整理に時間を要しているほか、当時の担当職員などへの聞き取りが必要な事項も複数あるという。
 行政対応を巡っては、有識者で構成した県の検証委員会が2021年12月から22年5月にかけて検証を行ったが、県議会特別委員会はことし2月、不十分として再検証を求める提言をまとめた。これを受けて県は庁内検証委員会を設置し、砂防法、森林法、土砂災害防止法、土採取等規制条例、廃棄物処理法について、県の検証委で対象とならなかった論点で再検証を始めた。現在係争中の訴訟に関する部分は除外されている。
 (政治部・青島英治)

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