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熱海土石流「これからも発信続ける」 横浜で新聞協会賞受賞講演

 2022年度新聞協会賞の受賞記者講演会が10日、横浜市のニュースパーク(日本新聞博物館)で開かれた。熱海土石流を巡るキャンペーン連載「残土の闇 警告・伊豆山」と一連の関連報道で受賞した静岡新聞社取材班代表の豊竹喬熱海支局長が登壇し「これからも伊豆山の復興や被害の責任追及の動きを追いかけ、発信を続けていきたい」と述べた。

熱海土石流の取材を振り返る豊竹喬熱海支局長=10日午後、横浜市のニュースパーク
熱海土石流の取材を振り返る豊竹喬熱海支局長=10日午後、横浜市のニュースパーク

 豊竹支局長はまず、地図や写真、動画を使って昨年7月3日の土石流発生当日の様子を振り返った。全8章36回の連載では被害者遺族の心情から始まり、伊豆山の歴史や現旧土地所有者の実像と不適切な盛り土が造成された経緯、行政の不作為、残土ビジネスの実態などを浮かび上がらせたことを説明。記者たちがどのような問題意識を持って取材に当たってきたのかや、「行政が防げた人災」との前提に立って打ち出した提言に込めた思いも紹介した。
 不適切な盛り土による「同じような災害は全国で起きる可能性がある」と強調し、「発信を続けることで、身近な残土の問題を皆さんに目を光らせてもらえるようにしたい」と言葉に力を込めた。
 会場とオンラインを合わせて約40人が聴講した。参加者から「再発防止のためにも、自分の住んでいるところが大丈夫かを意識付けさせ、行動させることが報道の使命」と期待の声も寄せられた。

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