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熱海土石流 最後の不明者の骨発見 捜索1年7カ月、死者28人に

 静岡県警は9日、熱海市伊豆山の大規模土石流で唯一行方不明になっている太田和子さん=発生当時(80)=の捜索活動で、熱海港芝生広場の土砂仮置き場で骨片を1月に見つけ、DNA型鑑定を経て同日までに太田さんの骨と断定したと発表した。前腕部とみられる。骨の発見で太田さんは近く災害死に認定される見通しで、土石流での死者は28人になる。
 県警は2021年7月3日の土石流発生から原則毎日捜索を続け、延べ2万4千人(県外部隊4200人を含む)が現場で活動した。骨片の発見は1月18日午後1時半ごろで、仮置き場にある全ての土砂の確認作業が完了するわずか2日前だった。
 磐田署所属の関東管区機動隊員(23)が、長さ15センチの骨片を土砂のふるい作業中に発見した。土石流発生当初、仮置き場に大量の土砂を搬入し始める前に開けた約10カ所の穴の一部分から見つかり、経緯などから逢初橋付近に堆積していた土砂の可能性があるという。
 親族からDNA型の提供を受けて県警科学捜査研究所(科捜研)が鑑定した結果が2月9日午前に出て、太田さんの骨と考えて矛盾がないと判断した。熱海署が同日、家族に報告すると、約1年7カ月に及んだ捜索活動に対する感謝の言葉があったという。
 県警はこれまでに太田さん名義の運転免許証や会員証、金融機関のキャッシュカードなどを発見してきた。災害対策課の真野義文課長は「絶対に見つけるとの思いで続けてきた。一部でもお返しできて良かったと感じる一方で、全てではないし、時間がかかってしまったことも申し訳ない」と話した。協力を続けてくれた地元業者や関係機関などへの謝意も強調した。

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