テーマ : 熱海土石流災害

行政文書白黒コピー問題 判読不明は特定部分 川の濁りや分水嶺付近 熱海土石流

 熱海市伊豆山で盛り土が崩落し28人が死亡した大規模土石流を巡る県の行政文書の白黒コピー問題で、静岡県から開示された約400種類の文書のうち、白黒化で判読できなくなっていた文書は特定の内容に限定されることが7日までの本紙の調べで分かった。土石流の前兆とされる川の濁りや、隣接流域の水が流入した可能性のある分水嶺(れい)付近の開発の写真が判読できなくなっていた。全ての文書を同じ方法で白黒化したのではなく、文書の内容に応じて白黒化の方法を変えた疑いが出てきた。

県が当初開示した文書の一つ。元のカラー文書を白黒化していても何が写っているのか分かる文書が多かった
県が当初開示した文書の一つ。元のカラー文書を白黒化していても何が写っているのか分かる文書が多かった
(上)川の濁りが記録された県の開示文書。白っぽい部分が黒くつぶれて、何が写っているのか分からない(下)川の濁りが記録された元の文書(カラー)を白黒コピーした。黒くつぶれた開示文書と異なり、流れが見える
(上)川の濁りが記録された県の開示文書。白っぽい部分が黒くつぶれて、何が写っているのか分からない(下)川の濁りが記録された元の文書(カラー)を白黒コピーした。黒くつぶれた開示文書と異なり、流れが見える
(上)川の濁りが記録された県の開示文書。白っぽい部分が黒くつぶれて、何が写っているのか分からない(下)川の濁りが記録された元の文書(カラー)を白黒コピーした。黒くつぶれた開示文書と異なり、流れが見える
(上)川の濁りが記録された県の開示文書。白っぽい部分が黒くつぶれて、何が写っているのか分からない(下)川の濁りが記録された元の文書(カラー)を白黒コピーした。黒くつぶれた開示文書と異なり、流れが見える
県が当初開示した文書の一つ。元のカラー文書を白黒化していても何が写っているのか分かる文書が多かった
(上)川の濁りが記録された県の開示文書。白っぽい部分が黒くつぶれて、何が写っているのか分からない(下)川の濁りが記録された元の文書(カラー)を白黒コピーした。黒くつぶれた開示文書と異なり、流れが見える
(上)川の濁りが記録された県の開示文書。白っぽい部分が黒くつぶれて、何が写っているのか分からない(下)川の濁りが記録された元の文書(カラー)を白黒コピーした。黒くつぶれた開示文書と異なり、流れが見える


 県が本紙の要請に応じて土石流発生後の21年10月以降に開示した文書は、開発業者に対する行政手続きや行政指導の記録。不自然に黒くなり、写真に何が写っているのかよく分からない文書は17文書あった。判読できない文書の大半には、土砂の交じった川の濁りの写真か、分水嶺付近の開発行為の状況を写した写真が掲載されていた。
 元のカラー文書には、濁った泥水が川を流れる様子や、開発行為に伴う造成地の状況が写っていたが、県が当初開示した文書は黒く塗りつぶされたような状態になっていた。
 印刷やスキャナーの技術に詳しい日本印刷技術協会講師の石塚晃さんは「当初から濃度が濃く設定されているとは考えにくく、通常のコピーで白っぽい部分は黒くならないはずだ。通常のコピーとそうでない方法で複製された文書があるのではないか」と指摘する。
 文書の開示作業を担当した県法務課は「大量の文書があったので、機械的に作業したと当時の担当職員から聞いている」とコメントしている。

■熱海土石流を巡る県の行政文書の白黒コピー問題
 土石流の起点付近の開発行為に関し、業者への指導内容などを記録したカラーの行政文書が白黒化され、一部が判読できない状態で開示・公表されていた。印刷やスキャナーの技術に詳しい専門家は「濃度などを変えて文書の画像が加工された可能性がある」と指摘。県は「カラー文書を白黒コピーした結果、不鮮明になった」と説明してきたが、コピーでは再現できておらず、最近は説明内容を二転三転させている。

 

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