テーマ : 熱海土石流災害

国「山肌露出で規制区域に指定必要」見解 熱海・伊豆山の逢初川開発初期に該当 静岡県の砂防指定放置問題

 熱海市の逢初(あいぞめ)川で昨年7月に発生した土石流の起点で残土投棄を制限する砂防法の規制が放置されていた問題で、国土交通省の砂防担当者が27日までに静岡新聞社の取材に応じ、同法の規制区域「砂防指定地」の指定方法に関し、一般論としては砂防ダム上流域で山肌がむき出しになった段階で上流全域を規制区域に指定する必要があるとする見解を明らかにした。

崩落した盛り土が造成される前の逢初川上流域。土地所有者による開発で山肌がむき出しになっていた=2007年6月、熱海市伊豆山(スタジオ千夢提供)
崩落した盛り土が造成される前の逢初川上流域。土地所有者による開発で山肌がむき出しになっていた=2007年6月、熱海市伊豆山(スタジオ千夢提供)
残土投棄 盛り土 規制区域の対応
残土投棄 盛り土 規制区域の対応
崩落した盛り土が造成される前の逢初川上流域。土地所有者による開発で山肌がむき出しになっていた=2007年6月、熱海市伊豆山(スタジオ千夢提供)
残土投棄 盛り土 規制区域の対応

 砂防指定地は県が規制区域を国に申請し、国が指定する。土石流危険渓流の逢初川は上流全域を申請するよう国に促されていた上、盛り土(積み上げた残土)造成前の開発初期に上流域の山肌が露出し、国の示す見解に該当していた。県が規制区域を申請していれば、崩落した盛り土を造成前に規制できていた可能性がある。
 同省砂防部の担当者は「土を盛ったり切ったりして残っている山林を伐採すると、(自然発生の)土砂の流出が止まらないので広く面的な指定をかける」と森林伐採を伴う開発時に上流全域を指定する必要性に言及。山火事で山肌が露出する場合も同様と説明した。
 逢初川上流域に関しては「いきなり巨大な盛り土ができたわけではないだろうから、どこかの段階で、治水上砂防上、問題があるのではないかと判断すべきタイミングがあったかもしれない」と述べ、砂防ダム上流域の造成行為については「(一般論として)流域変更で今までになかった水を呼んできたり、地下の水みちが変わったり、いろいろなことが起こり得る」と危険性を指摘した。
 国が県の対応状況をチェックする必要があったのかという質問には回答を避け「県が適切に指定申請の仕事をすると思っていた。県の対応が不作為に当たるかはわれわれが判断すべきでない」とした。

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