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熱海土石流 知事「私では不正確」 行政対応や原因検証 遺族に直接説明せず

 28人が死亡した熱海の大規模土石流を巡り、川勝平太知事は26日の定例記者会見で、行政対応や発生原因の検証結果について「全て公表しているのでみなさんご存じだ。裁判の中で説明が遺族にもされる」と述べ、遺族や被災者に直接説明しない意向を示した。
 発生2年を迎えた今年7月の追悼式後、遺族から「母がなぜ亡くならなければならなかったのか真実を知りたい」と直言され、知事は「約束する」と応じていたが、県は遺族や被災者に検証状況を説明する機会を設けていない。
 川勝知事は「私自身の説明では不正確になるので、検証委員会でなされた説明以上は説明できない」と理由を述べた。一方で「(遺族や被災者に)それを理解してもらうのがまず一つだが、理解することと納得することは違う。大切なのは(遺族や被災者が)ああいうことが起こらないような環境の中で1日も早く生活を取り戻すこと。そちらを重視してお目にかかる機会を持ちたい」とした。
 複数の専門家から検証が不十分だと指摘される発生原因の検証については「よほど新たなデータや事実が出てこない限り十分だ」という認識を明らかにし、崩れた盛り土の土砂がなぜ海まで流れ下ったのかに関しても「現在あるデータによって解明できるところは解明し切った」と強調した。
 損害賠償請求訴訟で遺族や被災者の一部は、真相究明や法的責任の追及に力点を置いて追加提訴する方針。この動きについて知事は「成り行きを注視する」と述べた。

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