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残土問題「関心を」 熱海土石流災害、再発防止へ課題探る 静岡で静岡新聞記者講演・座談会

 静岡新聞社・静岡放送は26日、熱海市伊豆山で2021年7月に発生した大規模土石流を考える特別企画「記者が語る熱海土石流」の第3回講演を静岡市駿河区登呂の静岡新聞放送会館で開いた。本年度日本新聞協会賞を受賞した本紙連載「残土の闇 警告・伊豆山」の取材に携わった4記者が講演や座談会を通じ、再発防止への課題を探った。

熱海市伊豆山で発生した土石流の取材経験を語る記者=26日午後、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館
熱海市伊豆山で発生した土石流の取材経験を語る記者=26日午後、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館

 豊竹喬熱海支局長は発災直後の伊豆山や行方不明者の捜索活動の様子を動画と写真を交えて紹介。土石流から1年以上経過する中で、生活再建に向かう人がいる一方、立ち直れずに苦しんでいる人もいるとし「住民の声に耳を傾け、伊豆山が再生する姿を追い続けたい」と述べた。
 連載のデスクを務めた鈴木誠之社会部長の進行で展開した座談会では、社会部の大橋弘典、武田愛一郎、市川幹人の3記者も登壇した。県や熱海市の行政対応を取材した武田記者は「他の地域で発生している問題が、自県の課題解決にもつなげられないかという視点を持ってほしい」と行政に求めた。市川記者はずさんな盛り土の存在が住民に知らされていなかったとし、「行政は不都合な情報も住民の安全のために伝えるべき」と訴えた。
 大橋記者は国レベルで業者が残土を処理する過程を追える仕組みが必要とした上で「世論で国を動かさなければならない。一人一人が無関心ではいけない」と強調した。

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