テーマ : 熱海土石流災害

9日辞職の川勝知事 熱海土石流被災地で犠牲者慰霊 県職員に後を託す

 川勝平太知事は8日、任期途中で9日に辞職するのを前に、2021年7月に熱海市伊豆山で発生した大規模土石流の被災地を訪れた。災害関連死を含め28人の犠牲者を改めて慰霊するとともに、引き続き復旧復興事業を担うことになる県職員に後を託した。

土石流の被災地を訪れ、献花、合掌する川勝平太知事(左)=8日午前、熱海市伊豆山
土石流の被災地を訪れ、献花、合掌する川勝平太知事(左)=8日午前、熱海市伊豆山

 熱海土石流は今月3日で2年10カ月が経過した。発生時刻とされる午前10時半ごろ、川勝知事は公用車で被災地に入った。復旧復興の工事が行われている逢初(あいぞめ)川流域の被災地を高台から見渡した後、花を手向けて合掌した。県の森本哲生交通基盤部長と佐藤芳健熱海土木事務所長らが同行した。
 川勝知事は取材に「亡くなった方への慰霊の気持ちを伝えるために来た」と答え、現場の県職員に対して「最後の激励と、極めて重要な(復旧復興)工事を託すために参った」とも述べた。熱海土石流とどう向き合ってきたかについては、県盛り土規制条例の制定に触れ「二度と起こさないことが供養になると思ってやってきた」と振り返った。
 被災地周辺をこれまでに複数回視察したが、知らない現場もあったと明かし、「現場主義を標ぼうしていながら、悔いても悔やみきれない」と下を向いた。同行した県職員の一行に「地元と向き合い、県全体で復興に全力を尽くしてもらいたい」と声をかけ、現場を後にした。遺族や被災者と接する場面はなかった。

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