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土石流被災地の宅地復旧補助金 熱海市、補正予算案から削除「説明不十分で理解得られず」

 熱海市伊豆山の土石流被災地の宅地復旧に関し、市は23日の市議会6月定例会観光建設公営企業委員会で、被災者が行う復旧工事費の90%を補助する予算について、被災者への説明が不十分で理解が得られていないとして同定例会に提出した2023年度一般会計補正予算案から当該部分を削除すると表明した。
 市は23年度当初予算に計上した復興推進費4億8500万円のうち、2億6100万円を補助金に組み替える補正予算案を6月定例会に提出していた。斉藤栄市長は削除理由について、「被災者、議員に十分理解されておらず、議員に可否判断をしてもらう状況にない」と説明。「今後、十分理解していただいた上で、改めて審議していただきたい」と述べた。
 被災地の宅地復旧を巡り、市は当初、市が設定したエリアの宅地をいったん買収し、造成した上で25年度中に被災者に分譲する方針だった。しかし124世帯に行った個別面談で、市の買収価格より分譲価格の方が高くなるとの懸念やもともと住んでいた場所に住みたいといった声が多かったことを踏まえ、復旧工事費の90%(上限1千万円)を補助する方式に変更した。
 ただ、被災者に事前の説明がなく、市議会への説明も補助制度が決定してからだった。市は「帰還するかどうかに関係なく補助対象とする。被災地の安全確保と早期復興につながる」とメリットを強調していた。しかし被災者や市議から「唐突だ」「買収を見込んでいた被災者はどうなるのか」などと不満の声が上がっていた。

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