テーマ : 熱海土石流災害

熱海伊豆山の止まり木に 老舗の鮮魚店「魚久」新装オープン 復興へ奮闘

 熱海市伊豆山で63年間、住民の生活を支えている鮮魚店「魚久」が14日、新装開店した。土石流災害からの復旧復興を目指す地域を活気づけたいと話す2代目店主の高橋照幸さん(67)は「住民はもちろん、伊豆山を離れている被災者の皆さんがほっとできる『止まり木』のような店にしていきたい」と話している。

買い物客に商品を紹介する高橋照幸さん(左)=熱海市伊豆山の魚久
買い物客に商品を紹介する高橋照幸さん(左)=熱海市伊豆山の魚久


 伊豆山神社の近くに立つ同店。周辺はかつて、青果店や酒屋、飲食店などが並んでいたが、少子高齢化が年々進み活気を失っていた。さらに2年前の土石流災害で住民が離ればなれになり、地域コミュニティーの弱体化が加速した。
 こうした中、同店は地域の役に立つサービスを提供するため、高橋さんの息子で3代目の一平さん(38)が中心になって、従来の鮮魚や総菜以外に野菜や冷凍食品などを商品の幅を広げようとリニューアル計画を進めてきた。新装開店初日となった14日は午前から多くの住民が訪れ、買い物を楽しみながら世間話に花を咲かせた。
 発災から2年余り。被災地の警戒区域は9月1日に解除される見通しになり、地域にようやく活気が戻ってくる兆しが見えてきた。照幸さんは「伊豆山に戻ってくる人もいれば、戻らない人、まだ戻れない人もいる。さまざまな思いはあるが、誰もがいつでも気軽に立ち寄れて語り合える店にしたい」と話した。
 同店は新装開店を記念し、3千円以上買い物した客にアジの干物3枚を贈呈するキャンペーンを16日まで実施している。

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