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盛り土「小規模なら崩れず」 静岡県が解析結果、不確実性も 熱海土石流

 熱海市伊豆山で2021年7月に発生した大規模土石流を巡り、静岡県は29日、土石流の起点で造成された盛り土の大きさが実際よりも小さければ崩落しなかったとする解析結果を発表した。盛り土に影響を与える地下水量の推定値などは根拠が乏しいまま解析に使っていて、県は「不確実性がある」としている。
 解析では盛り土などの土質は均質化し、降水量も平均化した上で隣接流域からの表流水の流入は前提にしなかった。ジオアジアと呼ばれる解析方法で計算し、盛り土の高さが15メートルで崩落箇所下端部に土砂がない場合、水や土の圧力で盛り土が軟らかくなる現象は見られないとした。
 実際の盛り土は高さが約50メートルあったが、解析では盛り土の高さが何メートルで崩落するのかは計算しなかった。解析で使った逢初(あいぞめ)川上流域の推定地下水量は、複数の専門家が「根拠がない」と批判している。
 県砂防課の担当者は「(市に権限のある)県土採取等規制条例の届け出の高さ15メートルで盛り土が施工されていれば、盛り土全体が崩落しなかった」と強調した。解析結果を被災者に説明する予定はないが、県警には提供するという。

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