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【新茶特集】消費低迷の中、需要掘り起こしは 識者インタビュー

 茶の消費低迷が叫ばれる中、需要の掘り起こしや拡大が喫緊の課題となっている。都内で茶や茶器の小売店も運営する茶関連包装資材メーカー吉村の橋本久美子社長に、業界の展望や成長戦略を聞いた。橋本久美子さん 茶関連包装資材メーカー社長 橋本久美子さん「諦めず未来への一手を」-茶業の現状をどのように見ているか。
 「家庭内消費を増やさない限り、お茶はダメになる。一方で日本茶がこのまま終わるわけがないとも考えている。再興に最も重要なことは、エントリーユーザーをいかにつかむか。国内を見渡せば、静岡と違って茶の消費が根付いていない場所が多い。そうした消費地の動向を知ろうと、2022年に戸越銀座(東京)に販売店を構えた」
 -店舗の運営で得たものは何か。
 「お客さんの反応が直接見られるのが一番大きい。自ら店頭で接客もする。『茶業界の常識は世間の非常識』ということを痛感した。いまはものが売れるのでなく、人が買う時代。抹茶ビールなどの新たな飲み方、おしゃれな茶器など、消費者は味わい方の提案によって購買意欲が高まる傾向にある」
 -需要拡大の方策は。
 「当社もかつては大量ロットの受注が中心だったが、小ロットも受けるようにして販路が広がった。そこで『未来は変えられる』と自信を持った。諦めずに次の一手を出せるかという点に、業界の未来がかかっている。伴走者として茶業を盛り上げていきたい」

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