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対中直接投資82%減 23年、30年ぶり低水準

 【北京共同】中国国家外貨管理局が18日公表した2023年の国際収支統計によると、外資企業による直接投資は前年比82%減の330億ドル(約4兆9千億円)だった。新規投資が落ち込んだ上、撤退や事業縮小による資金回収の動きもあったとみられ、30年ぶりの低水準となった。地政学的リスクの高まりや改正反スパイ法の施行を受け、外資企業の投資意欲が減退していることが鮮明となった。
 23年7~9月期は資金の流出額が流入額を上回り、統計を確認できる1998年以降で初のマイナスとなった。10~12月期は175億ドルのプラスに転じ、通年でもプラスを確保したものの、ピークの21年と比べると約1割の水準まで落ち込んだ。
 半導体などの先端技術を巡り、米国主導の対中輸出規制が強化されているほか、中国国内では国家安全を重視する観点から経済活動への締め付けが厳しくなっている。長引く不動産不況を背景に中国市場の成長力にも陰りがみられ、外資企業は中国への投資に慎重になっているとみられる。
 外貨管理局の王春英副局長は「中国経済は発展に不利な要素よりも有利な条件の方が多い。長期的に成長を続ける基本トレンドに変わりはない」とコメントした。

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