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大自在(4月25日)春の嵐

 さしずめ春の嵐が吹き荒れている―とでも言えようか。新年度の幕開けとともに、県内政界を揺るがす事態が続いている。
 先陣を切ったのは、これまでも「コシヒカリ発言」など、自らの言動でたびたび物議を醸してきた川勝平太知事。4月1日、新規採用職員に向けた訓示で「県庁はシンクタンク。野菜を売るのとは違う」などと述べ、職業差別との批判が殺到した。翌日の唐突な辞意表明には「投げ出し」の声も少なくない。
 昨年来、国政に影を落とす自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件では、安倍派座長を務めた塩谷立氏(衆院比例東海)が、事実上の同派トップとして党紀委員会から離党勧告を受け、再審査を請求、却下された後に処分に従った。年内にも予想される次期衆院選への対応を含め、地元浜松市民、長年の支援者の意見は割れている。
 塩谷氏の離党と同じ23日、「派閥からしゃべるなと言われている」などと裏金事件で安倍派幹部を公然と批判し注目を集めた宮沢博行衆院議員(比例東海)が衆院議長に議員辞職願を提出した。詳細は不明だが、週刊誌にも取り上げられる女性問題が原因とされている。
 政治への信頼は地に落ちた―。さかのぼればリクルート事件や年金保険料未納問題と、疑惑、不祥事が生じるたびに耳にした言葉がまた頭をよぎる。
 選挙などにより選ばれる人を「選良」と呼ぶ。優れた人を選ぶのは私たち有権者。知事選は5月9日告示、26日投開票。候補者にとっても選ぶ側にとっても、身近な政治への信頼を取り戻す一歩としなければ。

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