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世耕氏 裏金復活関与否定 参院政倫審 安倍派不記載「知らない」

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた参院の政治倫理審査会に14日、安倍派(清和政策研究会)の世耕弘成前参院幹事長が出席し、2022年に安倍派が資金還流を復活させた経緯への関与を否定した。派閥の政治資金収支報告書への不記載は「一切知らなかった」と語った。参院選の年の改選議員に全額還流する仕組みが始まった経緯は「分からない」とした。世耕氏と橋本聖子元五輪相は、選挙費用に充てていないと説明した。
 1日の衆院政倫審では、安倍派座長を務めた塩谷立氏(衆院比例東海)が22年8月に還流復活を協議したと証言しており、改めて食い違いが生じた形。会長代理だった下村博文氏も協議に参加しており、18日の衆院政倫審に出席する。
 参院政倫審の審査は1985年の設置後初。先の衆院同様、報道機関に全面公開で実施された。西田昌司元政調会長代理も出席した。
 安倍派は長年、パーティー券販売ノルマの超過分を議員に還流してきた。22年に会長だった安倍晋三元首相の指示で中止を決めたものの、安倍氏の死去後に復活。参院側会長だった世耕氏は復活判断に「関与したことはない」と明言した。
 自身を含む安倍派幹部協議が22年8月5日に開かれたと明らかにし、違法性の認識はなかったと釈明した。塩谷氏とのずれを指摘されると「何らかの資金手当てをしなければいけないと決まった」とした上で、還流復活が確定的に決まったことは「断じてない」と主張した。塩谷氏は衆院政倫審で、派内に要望があり22年に限った還流復活は「しょうがないかなと話し合われた」と言及していた。
 世耕氏は、同派の裏金づくりを巡り、清和会会長経験者の森喜朗元首相の関与はないとした。
 参院側の全額還流に関し、橋本氏は19年に還流資金として受け取った1566万円について「政治活動のみに使った」と述べ、選挙に使った可能性を否定した。200万円台だった前後の年との違いは語らなかった。全額還流を知った経緯は19年に「販売ノルマがなく還流資金が大きくなったことに驚いた秘書が報告に来た」と答えた。
 西田氏は安倍派幹部の説明責任について「全く果たされていない」と批判した。安倍派は1月、派閥の解散方針を決めている。

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