テーマ : 新聞一面掲載記事

大自在(5月15日)「五月病」

 最長で10連休だった大型連休が終わった。4月の新年度開始とともに就職や進学などによって新天地で生活をスタートさせている方も多いであろう。
 受験や就職など大きな目標を達成し、燃え尽き症候群のようになったり、環境変化にうまく対応できずに大きなストレスを感じるようになったりするのもこの頃だろう。こうした状態は長らく「五月病」と呼ばれてきた。
 正式な病名ではない。病名なら適応障害、うつ病、発達障害などが挙げられるようだ。5月ではなかったが十数年前の数年間、うつ病と診断される時期が断続的にあった。
 順調だった仕事に、理由も分からず全く自信が持てないようになり、人との接触ができなくなった。早朝に目が覚め、いろいろな考えが頭の中を巡る。ベッドから起き上がれないことも多かった。処方で受け取った薬の服用で眠り続けていた記憶もある。「仕事に復帰できるのか」「ひきこもるようになってしまうのか」―。家族はこんな危惧を抱いていたと、回復後に明かした。
 先日、あるロックバンドのボーカルがうつ病に悩み、復活するまでの軌跡を追ったドキュメンタリー番組が放送された。誰でもかかる可能性があると紹介していた。厚生労働省によれば、その割合は「生涯を通じて15人に1人」。精神疾患から「ひきこもり」に至るケースもある。
 過日の紙面に、ひきこもりの評価方法とともに精神疾患に対する早期発見の重要性が紹介されていた。精神疾患から自死につながることも少なくない。そんな悲劇を一件でも多く減らしたい。

いい茶0

新聞一面掲載記事の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞